[始めの頃の生活編]写真で見る小屋暮らし
2019/05/12
「写真で見る小屋暮らし」の第三弾です。
2013年12月に、何もないセルフビルドの小屋に移住しました。
寒くて眠れないときは、小屋の中にテントを広げ、その中にありったけの布団を入れました。更にその布団の中には寝袋まで入っていました。
飲水は近所の湧き水を汲んで来ました。
生活用水には家の横の沢水を利用し、料理はカセットコンロでした。
キャンプ的な、数日間の滞在なら構いませんが、僕はこの小屋でしっかりと暮らす必要がありました。
必要に迫られたり、より文化的な生活を求め、最初の頃はとてもたくさんの物を作りました。
なにせど素人が見よう見まねで作ったものなので、どれもツッコミどころ満載です。
笑ってしまうくらい下手くそな物ばかりですが、中には今でも気に入って使っているものもあります。
今回は、小屋に住み始めた最初の頃に作った物や、その時の生活を中心にまとめようと思います。
[水]
最初に作ったのは、やはり「水」に関するものでした。
バケツに汲み置きしていた生活用水も、一晩のうちに凍ってしまったし、ゴミも入ってしまいました。
水に関しては、早急になんとかしなくてはならないと思いました。
上段の、布団を巻いたタンクには雨を貯水し、生活用水として小屋の中に引き込みました。
引き込んだ先の雨水は、ホームセンターで買って来たステンレスシンクで受けました。
下段のドラム缶は、シンクからの排水を濾過するフィルターが入っています。
石油系洗剤を使わないことを徹底したので、濾過後の排水は植物の水やりにも使うことが出来ました。
長く伸びた雨樋が異様です...。


[暖]
「水」の次に必須だと痛感したのは、「暖かさ」でした。
寒そうに身を寄せる「クロ」と「トラ」
寒くて不満顔の「綱吉」
寒さに強いのか、一匹だけ元気に遊び回っていた「ミシェル」
猫は湯たんぽの入った寝床でじっとしていることが出来ますが、人間はそうもいきません。
僕は産まれて初めて、「しもやけ」になってしまい、このままでは大変なことになると感じました。
東京のマンションとは違い、田舎の山林なら思う存分「薪ストーブ」を使うことが出来ました。
煙突は曲がっていますが、この薪ストーブの導入は、僕らの生活を劇的に向上させました。
薪ストーブを焚き付けたことが分かると、猫も段ボール小屋から出て来ました。
薪ストーブを焚けば、部屋が暖かくなるだけではなく、料理にも使えるし、お湯を沸かせば暖かいお湯で頭を洗ったり、洗濯をすることも出来るようになりました。
薪ストーブが焚ければ最高の住み心地になりますが、燃料の薪の入手は思っていた以上に大変なものでした。
移住したての頃は、庭の枯れ枝を集めたり、腐りかけの倒木を手鋸で切ったりしていました。
頑張って集めた薪ですが、これくらいなら一晩で殆どを使い切ってしまいます。
また、割ったばかりの薪は水分を多く含んでいるので薪ストーブの燃料としては不向きです。
割った傍からストーブの回りに並べて乾燥を促しました。
移住当初は、薪にも使える「パレット」はとても貴重な存在でした。
地元のご近所さんから、処分に困っているという古い建材を貰ってきて薪にしたこともありました。
木の皮も捨てずに燃やしました。
小屋の中の掃除をすれば、まるで野外かのようなゴミが集まります。
薪を節約するために、このようなステンレスの容器に灰を入れ、「豆炭」という炭に火をつけ、テーブルの下に入れていました。
足元が温まって良かったのですが、何足もの靴下や、ブランケットを焦がしてしまいました...。
[食事]
食事に関しては、特別困ることはありませんでした。
食材は、よっぽど東京時代よりも新鮮で美味しいものが手に入ったので、なかなか充実していたと思います。
ご飯はカセットコンロと鍋を使って炊いていました。
その後は土鍋に変わったり、現在では圧力鍋を使うようになりました。
夕食時になると、少し暗くなってしまうことを除けば、特に不満はありませんでした。
食後には、しっかりとデザートも食べていました。
[変遷する小屋暮らし]
小屋に住んでいれば、日々不満点や改善点が見つかります。
少しずつですが、確実に住み心地が良くなっていくという生活は、やり甲斐のあるものでした。
曲がっていた煙突は直しました。
移住当時の小屋
ソーラーパネルを導入したり、雨跳ねで扉が濡れてしまうので防腐処理をしたり、アクリルですが、大きな窓を付けたり、ドラム缶やペール缶をガソリンスタンドで貰ってきたりしました。
煙突を伸ばしたり、外壁を付けたり、扉をペンキで塗ったりしました。
雨水システムを改善したり、建材を濡らさないように屋根を作ったり、不必要になったものは溜め込まずに処分するように心掛けました。
工具などは日に日に増えていったので、庭に工具棚を作りました。
最初の頃の、寒くて堪らなかった寝床です。
暖かい空気は上に登るので、ロフトの片付けをしたり、伐木をして倒木の不安を軽減させた後は、ロフトの上にベッドを作りました。

フニャフニャですが、食器棚を作ったりもしました。

緑矢印のテーブルが、僕が小屋暮らしを初めて最初に製作した木工作品だったと思います。
青矢印の柱は、暖を取る為に全て薪にしてしまいました。
昔の写真を振り返っていて、これが一番驚いたことかもしれません。
立派な柱として使えそうなので、今だったら薪にはしていなかったと思います。
それでも小屋の中はまだまだゴチャゴチャとしていて片付いていませんでした...。
[終わりに]
移住当初は本当に様々なことがありました。
とても書ききれませんが、冗長になってしまっては読み辛いので、次でこの「写真で見る小屋暮らし」シリーズはお終いにしようと思います。
次回は小屋暮らしを始めた当初の、「トラブル編」ということにしようと思っています。
よろしくお願いします。
[第一弾]

[第二弾]

[第三弾]

[第四弾]
