[セルフビルドの小屋暮らし][入植16日目] - スリランカ人に騙されたうえに地元住民に怒鳴られた話|おまけ:断熱材、内壁貼り、荷物の搬入|タイニーハウスの作り方
2019/02/18
前回までの振り返り
屋根の下の隙間と、玄関の横に採光取りを取り付けました。
現在は断熱材を途中まで貼ったところです。
猫たちとマンションの退去日が気がかりなので、作業終了後には東京へとんぼ返りでした。
本日の作業《※おまけ》
1.断熱材を貼り終える
2.内壁を貼る
3.荷物の搬入
今回も東京での滞在は1日だけでしたが、その間に壁紙を貼り替え、そしてスタッドレスタイヤを購入してきました。
どうやら購入した土地は雪が降り積もるらしいので、せめてタイヤだけでも雪仕様のものに替えようと思ったのです。(僕の軽ワゴンは2WD)
余談ですが、カー用品店でスタッドレスタイヤを購入したら、タイヤ交換は無料でした。
そしてその時の担当者の方が言っていたのですが、元々装着していたタイヤは、僕の軽ワゴンには適合していないものだったそうです。
適合していないタイヤのまま高速道路を走ったりすると、最悪破裂の危険があったそうです。
何度も高速道路を利用していただけに、冷や汗が出ました。
※適合外のタイヤでは、車検も通らなかったようです...。
適合しないタイヤでたくさんの買い物をしてきてしまいました...。
スリランカ人に騙された話
タイヤついでに書きますが、僕の買った車検付きの軽ワゴンはインターネットを通じて購入したものです。
車の受け渡しにはスリランカ人の方が立ち会いました。
スリランカには行ったことがなかったものの、近い国々や同じような文化圏には行ったことがあったので話が弾みました。
本来名義変更が済むまではデポジットとして3万円を預けるという約束があったのですが、その必要はないと言っていただいたり、引き渡しまで停めていた駐車場の料金も支払ってくれたり、最後にはジュースを買って渡してくれたりしました。
とても気の良い青年だったのです。
インターネットに掲載されていた説明文には、「パワステ」「エアバック」「集中ドアロック」「パワーウインドウ」等の記載がありましたが、渡された車にはそれらの機能が搭載されてはいませんでした。
安く買えたことに価値があると思ったので、それらのことは気にしないことにしたのですが、危険なタイヤを装備していたということには、少しだけ悲しくなりました。
彼は、「タイヤはアルミのものを履かせておいたから!」と、まるでお得なおまけをつけてくれたかのように言っていたことを覚えています。
つまり車検を通した後に、タイヤを取り替えたということなのだと思います。
慣れない国で苦労しているのではないかと心配もしましたが、彼は案外逞しく生きているのかもしれません...。
1.断熱材を貼り終える
前回同様、断熱材を丁度よい長さに切ってはタッカーで貼っていきました。
天井以外がぐるりと白い断熱材に包まれた小屋は、まるで布団に包まれているかのようで面白かったです。
2.内壁を貼る
内壁は外壁で使った12mm厚の合板ではなく、5.5mm厚の合板を使いました。
安くて施工も楽になりましたが、5.5mmは思っていたよりも薄かったようで、場所によっては押すとたわみました。
この上に化粧板を貼ったり、もしくは漆喰などを塗るまでは、少しチープな内装となってしまいそうです。
※石膏ボードの方が安いし暖かいとは思いますが、木の家に憧れていたこともあり、選択肢には入りませんでした。
内壁を貼ったところ。
3.荷物の搬入
そろそろ搬入を開始しないと引っ越しが間に合わなくなりそうだったので、当面使わなそうな荷物を中心に、今回から運び入れることにしました。
引っ越しに伴い多くの荷物を処分しましたが、それでも手軽な引っ越しとは程遠く、軽ワゴンの荷台は直ぐに物で溢れてしまいました。
取りあえずロフトに山積みしました...。
地元住民に怒鳴られた話
日が暮れてきたところで作業を止め、車に積んだままだった引っ越しの荷物を小屋に搬入していました。
僕はロフトの上で搬入した荷物を移動したり、積み直したりしていましたが、ニテヒさんは残り少なくなった荷物を車に取りに行っており、眼の前にはいませんでした。
外から話し声が聞こえてきました。
ニテヒさんが車の方で、誰かと話をしているようです。
僕は直感的に、誰かと揉めているのではないかと思いました。
車の方からは、大きな怒鳴り声のようなものが聞こえて来たからです。
慌てて手に持っていた荷物を放り出し、怒鳴り声のする車の方へと走り出しました。
そこには地元住民と思われる、小柄だけどガタイの良いおじさんと、横付けされた軽トラックが見えました。
「ここ買ったのーー!?」
「あんた永住する気なのか!?
「普通、家建てるなら最初に駐車場作るもんだろうが!!」
おじさんは、このようなことを言っていました。
僕はすかさず間に入り、
「何かご迷惑をお掛けしたようですが...?」
と、出来るだけ丁寧に対応しました。
僕の存在に気がついたおじさんは、
「いや別に迷惑ってことじゃないんだけどさ、ここに車を停めてたら周りの住民に文句を言われちゃうと思ってさ...。」
おじさんに対しニテヒさんは言いました。
「事情があってどうしても先に家を建てなくてはなりませんでしたが、後一週間もすれば駐車場を作る余裕が出来ますので、もう少しだけ待って下さい。」
ここへ来ておじさんも機嫌が直ってきたようで、
「そうか、そうか!」
と、大分落ち着きを取り戻してくれたようでした。
しかし去り際に、薄ら笑いを浮かべながら言った言葉が妙に引っ掛かりました。
「あんたらさ、、そこらに生えてる赤松が倒れてきたらさ、あんなの簡単に潰れて死んじまうぞぉー!」
あんなのと言われたのは、お察しの通り?僕が建てた小屋のことでした。
僕らは意識して、道行く人には出来るだけ愛想良く挨拶をするようにしていたのですが、このおじさんは初めて見る顔でした。
購入した土地には何十本もの大木が生えており、その多くは赤松です。
僕はこのような自然に囲まれた場所で暮らしてみたかったのですが、まさか木が倒れ、家を潰してしまうなんてことは想像もしていませんでした。
さっきまでうっとりと眺めていた木々ですが、今では恐怖の対象となって僕らを見下ろしているかのように思えてきました。
この後直ぐに東京へ戻ったのですが、その車中ではいつまでもおじさんの怒鳴り声と、家を取り囲む木々のことが頭にこびりついて離れなくなっていました。
こちらは出来るだけ丁寧な対応を心がけたにも拘わらず、最後まで人の首根っこを押さえつけようとするかのような威圧的な態度には、腹立たしさを感じずにはいられませんでした。
冷静に考えれば、車は斜めに乗り上げた格好でしたが、僕らの敷地内に収まっていたので、余計に腹が立ってきました。
僕は、自分の思い描いた生活を手に入れようとした結果、倒れてきた木々に潰されて死ぬというのなら、別にそれでも悔いはないと本気で思っていました。
過去を振り返ってみて
・自分の家の木が倒れ、そして家と人間を潰すところなんて想像したくはありませんが、それは他人を殺すのではなく、あくまでも自爆なので、自業自得で済んでしまうことなのかもしれません。しかしそんなことで死んでしまうのはもったいないとも思います。怒鳴られたことに腹を立てるだけだったり、死んだって構わないとムキになったりするよりも、自分の理想と現実の丁度良い折衝点を探ることの方が、人生を面白おかしく生きる為には良いのかもしれないと、今はそのように考えています。
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