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環境・庭・畑など

手抜きでも大漁をめざす新しい畑を考えた

2017/04/04

 

すっかり春めいてきました。
畑のあれこれが頭をよぎります。

とは言えだいたい私の言う畑は、春に有機肥料をすき込んで、種やら苗やらを植えたあとは、水やりとたまの草むしり程度の世話しかしない手抜き畑なのだから、何も頭を悩ますこともあるまい…

とも思うけれども、畑というのは季節ものだから気が急ぐし、植えるならば大漁を目指したくなるものです。


そもそも春先のやる気が継続せずに、いつも後に残るのは雑草だらけの畑という体たらく。

これをいかがすべきか悩んだ結果、どうも今の畑が悪いという結論に達しました。

「もっとかわいくて、もっと世話がラクな畑を!」


今日は、上のスローガンのような畑を手に入れるための調査をした結果を発表したいと思います。

 

不耕起栽培はラクな畑?


安直なところで「ラク」という条件で調べると「不耕起栽培 no-till-farming」が目につきます。


アメリカやカナダなどを中心に広まってきている不耕起ですが、しかしかなりグレーな印象を受けました。

グレーの前に、不耕起栽培とはどんな農法なのか?を説明しますと、「不耕起」の文字そのまま「耕さない」という農法です。

もちろんただ耕さないのではなくて、植物の力を利用して土を改良していくので、力を借りる植物を選ばなくてはなりません………などと、参考にした文書には長い説明がありましたが、ここは簡単にまとめますと、

前シーズンに残った作物や堆肥用作物をそのままにして、新しい苗や種の植え付けをします。
一切くわを入れることはありません。

地表に堆積した堆肥作物は、マルチとして活躍しながら数シーズンかけて分解していき、やがて養分が土中に溶け出す仕組みです。

とにかく「耕さない」のが不耕起栽培なのですが・・・


不耕起栽培のよいところ

1.肉体的にラクである

2.耕やさないことで土の自然な層を破壊せずに済む

3.堆積物のマルチがあることで表土の流出を防ぐ

4.保湿力に優れるので、水遣りの回数が減る

5.堆積物のマルチが養分を供給

 

不耕起栽培の悪いところ

1.結果が出るまでに数シーズンかかる

2.分解速度の関係上、土中窒素が不足する傾向がある

3.上層に養分が溜まりやすい

4.雑草に強い遺伝子組み換え種を使う

5.雑草のコントロールが難しいため、通常除草剤を散布  ←えっ!


この雑草のコントロールというのが、目下不耕起栽培の最大の課題で、通常米国の農家では農業機械の幅で畝間を確保し、機械を転がして土ごと雑草を一網打尽にしているそうですが、不耕起ではこれが出来ません。

根ごと雑草をひっくり返す行為がすなわち耕すことになるからです。
厳しい…。

そこで、除草剤を散布して雑草を減らそうというわけなんです。

 

1980年代の時点で既に「不耕起栽培の光と影」として除草剤の散布問題についてレポートされていましたが、それから40年近く経ったのちでも除草剤あっての不耕起栽培という姿は変わっていません。

そもそも不耕起栽培が注目されたのは、「効率」と「燃料代」という点が優れているからなのです。

※注※
これは個人レベルの菜園程度の話ではなくて、果てなく続くトウモロコシ畑や麦畑などの大規模農場での話だと思ってください。

麦畑
(たとえばこんな麦畑)

 

除草剤を使わない、オーガニック不耕起という試みもありますが、結果は芳しくないようです。

それは刈り取った肥料用の作物cover- cropsで念入りにマルチをして雑草をコントロールするという方法てすが、初期段階の雑草の成長は防げても、やがて伸びてきた雑草に覆われてしまう結果になるそうです。


そこで、考えるわけです。

どうしてそこまでして耕さないことに固執しなくてはならないの?と。


オーガニック不耕起をレポートした人も、「まったく耕さないよりも、すこしだけ耕す農法の方が、調子がいい」と書いています。

さらに「緑肥と組み合わせると、もっといい」とも言っています。

 

緑肥ってなに?


今日まですっかり忘れていましたが、前シーズンのおわりに畑に対する己の姿勢を反省して、本を借りてきて読んで書いておいたものがありました。

(去年のメモより抜粋)

緑肥とは、土壌を豊かにする目的で栽培する作物のこと。
生育したものを土にすき込むことで、土壌改良や地力増進に役立てる。


イネ科のえん麦・小麦など

1.雑草抑制

2.刈り取ったあとは敷き藁に

3.根が土を耕す

4.ぬかるみを防ぐ

5.土壌を守る。生態系の保全

 

マメ科のクローバー、ヘアリーベッチなど

1.根粒菌を通して空気中の窒素を固定するので、高い肥料効果が期待できる。

2.寒さを防ぐ

3.土壌を守って豊かに

4.雑草の抑制

5.有機マルチに


カラシナ

雑草の発芽を抑える(アレロパシー効果)
アレロパシー効果:ある植物が他の植物の生長を抑える物質を放出したり、動物や微生物を防いだり引き寄せたりする効果の総称。


ヘアリーベッチ
これがヘアリーベッチ。カラスノエンドウとちょっと似てる。
春先に、ヘアリーベッチ以外ほとんど雑草が生えてこなくなるという声もあるくらい効果的らしい・・・。

 

堆肥用の作物を育てる点では不耕起と同じですが、刈り取った地上部は地表に、根は地中にそのまま残すのが不耕起で、刈り取った根と地上部を地中にすきこむのが緑肥という違いがあります。

 

かわいくて世話のしやすい畑のかたち


これはご近所さんのかわいい畑です。

キューバ式の畑

キューバを訪れたときに見た畑を参考に、これならば世話が楽にできそうだと思って作ったそうです。

この畑の持ち主は、世話が楽な理由をレンガの縁に腰かけて作業ができるからだと言っていましたが、わたしは明確な畑の区切りの存在にひらめいたのでした。

レンガの囲いの中だけ、世話をすればいいのです!

ご近所さんの畑
(冬に撮影したので、ちょっと荒れてます)


わが家の畑も、一応「畑」部分を板切れでぐるりと囲んでありますが、地面レベルが他と同じなので、一見茫々と畑が続いているようでだらしのない印象だったし、特に草むしりの時は気が遠くなってしまうのでした。

それから緑肥をすき込むにしても、囲いがきちんとしていれば、やりやすい。


こういった「囲った畑」がキューバでは主流なのだな、さすが農業大国だな、と思っていましたが、調べてみたところそんなことはなくて、キューバ以外でも、パーマカルチャー的なことをやっている人たちの間で「囲った畑=Raised bed 」が普通であることを知りました。


必ずしもレンガなどを使って丈夫に作っている訳ではなく、2by4材のような板で囲いを作ったり、太めのワイルドな丸太でぐるりを囲ったり、屋根材を再利用したり、枕木を使ったりとさまざまです。

そしてベッドに「hugelkultur」を組み合わせることで、よりよい?ベッドができるそうです。
hugelkultur:地面から高く盛り上げて作るhugelkulturは、土の中に腐敗した木や小枝、葉、焼けた木などを詰めて作る緑化ベッドのこと。砂漠などの水の少ない地域での緑化に特に効果的。つまり少しの水遣りと肥料ゼロの良いベッド。読み方は「フーゲルカルチャー」が一般的。

 

ベッド

緑肥

グリーンマルチ

少しだけ耕す農法 

 

この辺が、楽でかわいい畑を手に入れる要素になってくれる気がしています。

それから、いろいろな畑を調べたついでに、猿よけにはバンブードームが良さそうだな、と思いました。
竹が手に入るならの話ですが。

 

今年の畑はどうなることやら、とりとめがなくなったのでこの辺で終わりにします…

 

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