流行り廃りはおそろしい
2017/03/29
今回は、ジャムの空き瓶についての閑話でございます。
「アリスのままで」という映画に、主人公アリスがバスルームで薬を飲む場面があるんです。
ガラスのコップに水を注いで、ぐいっと飲むだけのシーンですが、その手元に釘付けになってしまいました。
??ジャム瓶をコップにしてる??
よく確認すると、淵にグルグルした突起があるから、やっぱりコップじゃなくてジャム瓶!
これで薬を飲むシーンが何度かあるので、たまたまそこに空き瓶があったから使っている訳ではなさそうです。
アリスは貧乏なの?と思った人もいるかもしれませんけれど、劇中のアリスは大学教授、夫は医師という設定なので、自宅も素敵なものです。
この映画のインテリアは、ちょっと素敵なのです。
生活感がありつつも、落ち着いた余裕のある暮らしぶりが表現されてます。
キッチンの大理石のカウンターと、アンティークな雰囲気のシンクまわり。
調理道具もよく選ばれて、料理に使う食材も美味しそうなものばかりです。
そういう設定のアリスですから、ジャム瓶をコップにしたのは、ちょっと意外なオシャレを演出したのかな、と思ったんです。
ジャム瓶をコップにするというアイデアを目にしたのは、「アリスのままで」がはじめてではありませんでした。
空き瓶愛好家の私が、ずーっと忘れられずにいる雑誌記事があってですね、その記事を読んだときの「ジャム瓶をコップとして日常的に使う」衝撃が強すぎて、シュッとした姿のジャム瓶を見るとつい記事を思い出してしまうほどです。
それは生活系雑誌「クウネル」の記事なんですけど、雑誌はすでに手元にないので、記憶をたよりに書いてみますと、「コップは、ジャム瓶で充分だと思って」という書き出しで、紙面いっぱいにsarabeth's(サラベス)のジャム瓶の写真がありました。
(「サラベス」の瓶は、この画像のようなシュッとしたデザインの瓶です)
ジャム瓶をコップに使っていたのは、スタイリストの岡尾美代子さんで、空き瓶をコップにすべくいろいろと試した結果、いちばん口当たりの良かったのがサラベスのものだったと書いてありました。
そもそも岡尾さんがジャム瓶をコップにしようと思ったのは、外国のフードスタイリングの写真集にそうやって使われていたのを見てマネをしたんだそうです。
現在気に入ったコップがないから、見つかるまでは間に合わせのものは買わずに、瓶で済ますのだと言っていました。
いやあ、それにしても自分でもおどろくくらい記事の内容を記憶していますね・・・。
それほどにジャム瓶コップは衝撃的だったんだと思います。
ミニマリストだったら、瓶をコップにするのもおもしろそうです。
たとえば、
「コップをやめてジャム瓶を使ってます。蓋もあるので携帯することもできますし。」
で、お気に入りの瓶を水筒代わりに持ち歩く、というのはどうでしょう・・・。
瓶のふちの、ぐるぐるした部分が飲むときにジャマにならないのかな?と思いましたが、もしかしたらコーヒーとか飲むときに飲み口が熱くなくて調子いいのかも。
それで捨てる予定の空き瓶で試しにお茶を飲んでみたところ、おどろいたことに飲みやすい!
ふちのぐるぐるは外側についているので、液体の流れを阻害しないのでした。
そういえば数年前にジャーサラダがもてはやされていたときに注目を集めたメイソンジャーですが、そのメーカーのひとつBALL社にジャーマグ(ドリンキングジャー)なる商品がありました。
ガラス瓶に取っ手がついた形状で、ストローの挿せる穴(ゴムパッキンがついている)の開いた金属製のスクリューキャップがついたものです。
ううーむ、これこそやりすぎの典型じゃないかと思って見ていましたが、コレを買うまえに一度「空き瓶」でコーヒーを飲んでみたらどうでしょう。
実際、外で作業中にひと息お茶休憩というときに、フタのついたコップが重宝しそうな気もしますよね。
上から葉っぱとか落ちてきたり、虫が飛んできたり、そういうのを除けられますし・・・。
でも、誰かが言っていましたが、花を活けるなら花瓶じゃなくてジャム瓶のほうが良く似合うというのが本命な気がします。