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[前編]オフグリッド生活|分かり易いソーラーパネルの選び方|12Vシステムと24Vシステム|バッテリーの直列化と並列化

2018/04/04

我が家は電気を引いていないので、3年間ほど50Wのソーラーシステムを使って来ました。

そもそも50Wのソーラーパネルでやっていこうとしている時点で、一部のゲーム愛好家がやるような、"縛りプレー"なのかもしれません。

さらに、充放電を繰り返す度にバッテリーは弱るので、状況は厳しくなる一方でした。


そんなある日、たまたま開いたツイッター画面には、まるで僕の為のようなツイートが表示されていました。

それは、なんと「200Wのソーラーパネル」13980円だというのです。

本来は23800円なのですが、今回は41%OFF13980円だというのです。


因みに、越冬を控える時期というのは一年の中で最も倹約を意識しなくてはならない時だと認識しています。

どんなに欲しいものがあっても我慢しなくてはならない時期と言えるのですが、悪いことにこのツイートを見たのはうつらうつらとしていた夜中のことで、正常な判断をするには分が悪かったのだと思います。

「買わなくては損」

眠くて堪らないという状況は結論を急かし、欲しくて堪らないという状況は、自分に都合の良いロジックを生み出します...


前置きだけで延々と書いてしまいそうなので、さっさと本題に入りましょう。

今回は、50Wのソーラーパネルから200Wのソーラーパネルに機器の更新をしたという記事ですが、これからソーラーシステムの構築を考えている人が見ても参考になる内容になればと思っているので、先ずはソーラシステムのおさらいから始めたいと思います。

 

僕が200Wのソーラーパネルを買ったお店はダイ工機という楽天市場のお店です。

※楽天へリンクします。

僕は初めて楽天で会員登録をしました。

※注意

僕が買ったのは、「200W "単結晶" ソーラーパネル ブラックパネル」です。

ソーラーパネルには "単結晶"の他に、"多結晶"というものがあります。

"多結晶"に比べ、"単結晶"の方が変換効率が高いと言われているので、僕は"単結晶"を選びました。

 

※2017_09追記:"単結晶"のパネルを注文したつもりでしたが、実際に届いたパネルは"多結晶"でした...。

 

 

ソーラシステムの導入前に考えること

※ここでは僕が新たに購入した200Wのソーラシステムを例に使います。

1.使いたい電気機器は何か?

2.ソーラーパネルを選ぶ

3.バッテリーを選ぶ

4.チャージコントローラーを選ぶ


1.使いたい電気機器は何か?※これは一例です。

・iPhone(1A×5V=5W)2時間充電する場合、5W×2h=10Wh

・iPad(2.1A×5.1V=10.71W)2時間充電する場合、10.71W×2h=21.42Wh

・パソコン※32bitのネットブック(1.75A×19V=33.25W)2時間充電する場合、33.25W×2h=66.5Wh 66.5wh÷70%=95Wh

・パソコン2※64bitの作業用(3.25A×20V=65W)2時間充電する場合、65W×2h=130Wh 130Wh÷70%=185.71Wh

・LED照明×2(2W×2=4W)合計10時間使う場合、4W×10h=40Wh


合計=352.13Wh


ここで気を付けたいのは、2台のパソコンの充電です。

バッテリー電圧であるDC12Vでは充電することが出来ないので、インバーターを介し、AC100Vに変換して充電することになります。

インバーターの"変換損失"70%としました。

 

2.ソーラーパネルを選ぶ

今回買ったソーラーパネルは200Wです。

これは一時間あたり200Wの電気を作ることが出来るパネルという意味です。

日本の平均日照時間は3.3時間であると下の記事に書いてあったので、参考にしました。

オフグリッド|あこがれのソーラー発電
山暮らしには薪ストーブソーラー発電でオフグリッド生活 あこがれてしまえば、効率よりも使ってみたい欲が上回るものです。 《今回は山小屋でのソーラー発電についてです》にわか知識のまま導入した〈50wのソーラーシステム〉でしたが、今でも元気に発電し、生活レ...

とはいえ、ソーラーパネルは出力補正係数を「0.85」充放電損失係数を「0.95」と規格で定めてあるようなので、実際には、、

≒533W/DAY となります。



3.バッテリーを選ぶ

バッテリーには幾つか種類がありますが、有名なものを3つ取り上げることにします。

・鉛蓄電池:通常のカーバッテリー。安価。※僕もこれの軽自動車用を使っています。

・ディープサイクルバッテリー:船舶やフォークリフト(EBバッテリー)などがあります。繰り返し充電に強く、深くまで放電出来ます。※電力が沢山使えるということです。

・リン酸鉄リチウムイオンバッテリー:電気自動車で使われ、現在主流になりつつある?ようです。価格は大分下がりましたが、それでも鉛蓄電池に比べると高価です。ソーラーシステムとの組み合わせに関して、僕の理解が追いついていないので、今後の広がりと情報の伝播に期待しています。

 

ソーラーパネルには、「公称最大出力動作電圧/Vmp」という表記があります。

これが約18Vか、36Vかによって大別することができます。

一般的に、18V表記のものは12Vのバッテリーを、36V表記のものは24Vのバッテリーを使うことを想定しているようです。

※チャージコントローラーを介す場合に限られるのかもしれませんが、これは必ずしも守る必要はないようです。

2016.12追記:

12Vで使った場合は、≒半分の発電量しか得られないとのヒントをメールでいただきました。

参考になるページとして、ここを教えて貰いました。

〔教えてもらった対応策〕

1.12Vシステムから24Vシステムに変更する(バッテリー接続を〔並列〕→〔直列〕へ変更)

2.PWM制御方式のチャージコントローラーではなく、MPPT制御方式のものに変更する

3.発電量は半減するが、このまま運用する。

 

もし、24Vのバッテリーが必要になった場合は、単体で24Vのバッテリーを探してくるか、広く流通している12Vのバッテリーを直列接続して使用することになります。

2つのバッテリーを繋ぐ際は、線の太さ(sq/スケア)に注意して下さい。

僕が使っているバッテリーは軽自動車用の12V28Ah※5時間率のものです。

5時間率容量で28Ahのバッテリーでは、5.6A(容量÷時間率)の電流を流すと5時間で放電終止電圧(6セルでは10.5V)になります。

つまり、5.6Aの電流を5時間使うことができるバッテリーということになります。


今回、200Wのソーラーパネル購入に合わせ、同じものをもう一つ購入しました。

このバッテリーを"直列化"、もしくは"並列化"させて使う予定です。


12V×56Ah or 24V×28Ah=672Wh

 

200Wのソーラーパネルを使うことを想定すると、この672Whというのは非常に小さいと思います。

分かり易くバッテリーの大きさを財布で説明します。

平均日当5330円(200Wソーラーが一日に作り出す平均の電気量、533Wから)の仕事を365日休みなくしており、支払いは毎日日払いです。僕たちの持っている財布は少し変わっていて、6720円しか入りません。入り切らないお金は投げ捨てることになります。

お金を投げ捨てるのは勿体無いので、毎日張り切ってお買い物(機器の充電)をしています。

お金を投げ捨てることが勿体無いと思ったり、張り切って充電するのは少し忙しそうだと感じる方はもっと大きな容量のバッテリーを選びましょう。僕もいつかはもっと大きなバッテリー(出来ればディープサイクルバッテリー)を使いたいと思っています。

 

 

バッテリーには、大きさや容量の他にも、+端子の位置により「R」「L」と分かれているので、どちらかを選ぶ必要があります。

※僕は「R」の方が使い勝手が良いと思ったので「R」で揃えていますが、使用状況に合ったものを選んで下さい。

 

4.チャージコントローラーを選ぶ

これは使うソーラーパネルによって選定します。

僕は200Wのソーラーパネルです。12Vシステムとして使うなら16.66A(200W÷12V)、24Vシステムとして使うなら、8.33A(200W÷24V)となります。

チャージコントローラーには、10A、20A、30A...と表記があるので、少しゆとりを持って購入すると、より安心出来ると思います。

次の記事で書きますが、僕は30Aのチャージコントローラー(2000円)を新たに購入しました。

ソーラーパネルの大きさにあったチャージコントローラーを選びましょう。


チャージコントローラーについて

PWM制御方式MPPT制御方式があり、性能も価格も大幅に異なります。

MPPT制御方式の方が高機能・高価です。曇天時などソーラー発電が不安定な場合に、電流(A/アンペア)と電圧(V/ボルト)の最適な組み合わせのタイミングで電力(W/ワット)を作ることが出来るようですが、主に大規模なソーラーシステムでその効果が最大限に発揮されるようです。

※小規模なソーラーシステムではあまり関係がないとはいえ、憧れを持ってMPPT制御方式のチャージコントローラーを「Amazon」で検索してみたところ、案外安いものもありました。(※4000円くらいからありました。)



※この商品は「10A」までとあるので注意して下さい。

〔追記〕〔注意〕:よくよく読んでみると、これは通常のチャージコントローラーとは違い、ソーラーパネルからの入力電圧より、バッテリー電圧の方が高くしなくてはならないようです。

※理解出来るまでは購入を控えておこうと思います。

 


おさらいだけで長くなってしまったので、今回はこの辺りで一旦終わります。

とはいえ、このおさらいが肝だと思います。


次の記事では、ソーラーシステムの構築と設置、ちょっとした修理などのDIY記事になると思います。

下のイラストは、既存の50Wソーラーシステムです。

これから、必要なものを買い足したり、機器の買い替えを検討しつつ、「直列24V28Ahシステム」か、「並列12V56Ahシステム」を作りたいと思っています。

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※既に使っている人だけでなく、少しでも興味がある方は、『自分だったらどう使うか?』と、考えてみるのはとても面白い時間になると思います。オススメです。

ソーラーシステム導入の前に

電気を自給するという行為は、自分の使いたい電力量を知ることから始まります。

使いたい電気量に合ったソーラーパネルや、電気を蓄電するためのバッテリーを選んだりと、多少、学ばなくてはならないことがあります。

パネルの置き方から配線の手順など、慣れるまでは"試行錯誤"を繰り返すこともあると思います。

それでもオフグリッド、ソーラーシステムに拘るのは、この"試行錯誤"自体と、"自給した電力の中で工夫して暮らすという生活スタイル"そのものが、"堪らなく面白い"からに他なりません。

冷静になって考えれば分かりますが、電力会社から買う電気の方が、安全に使えて質が良く、かつ経済的なのは間違いないですからね。


〔後編〕につづく。


蓄電システム.com」さんのページがとても分かり易く参考になりました。ありがとうございました。

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