キッチンストーリー / 映画の中の小屋 / その4
2017/03/02
今回は北欧の映画「キッチンストーリー(Kitchen Story)」から、映画の中の小屋をご紹介します。
これは50年代のスウェーデンで実際に行われていたという、独身男性の台所調査にインスパイアされて作られた映画です。
おもしろいのが物語の前半と後半に、ほんの数秒間女性が登場するだけで、あとはおじさん以外映らないというところ。
しかし映像全体がスッキリとしているのは、ブルー系の抑えた色味に統一されているからなのでしょうか…。
もちろんインテリアも道具も北欧らしいシンプルなデザイン。
でもいかにも北欧的なものではなくて、どことなく東ドイツのインダストリアルな雰囲気もある、ムダのない実用的な様子です。
まずは、こちらから。
スウェーデンとノルウェイの国境に建てられた守衛小屋。
小さなトレーラーハウス。

かわいらしいですねえ。
トレーラーの後ろにくくりつけられているのは、調査用の高椅子。
トレーラーの内装はこんな感じです。
ボタニカルプリントの壁紙。
2人掛けでも余裕なソファ(ベッド)とテーブル。
さて、タイトルが「キッチンストーリー」ですから、映画の殆どをキッチンの場面が占めます。
それはこぢんまりとした二階建ての家のキッチンです。
流し台の様子。
水道管に布巾を干している様子が良いですねえ。
こちらは流し台の近くに設置されている洗面台。
物語中、お風呂もキッチンにバスタブを置いて済ましていました。
奥に白く見えるのが、コンロ。
会話の内容から推測するに、電気コンロのようです。
壁の色もすてきです。
あらすじについて
会話も登場人物もわずかな、おじさんばかりの映画です。
独身男性の台所での行動調査に、スウェーデンからノルウェイへとやってきた調査員のファルケと、被験者であるイザックとの交流を描いています。
調査は何日間にも渡り、そのあいだ調査員と被験者とは会話が一切禁止されています。
台所にプールサイドの監視台のような椅子を設置して、監視ルールを頑なに守りながら調査を続ける調査員のファルケ。
被験者であるイザックは、そんなファルケに不信感を抱き、2人はギクシャクしてしまいます。
しかしふとしたきっかけで、2人は少しずつお互いのことを話し始め、やがて笑顔が見られるまでに打ち解けていきます。
その様子にイザックの友人(おじさん)が、まさかの嫉妬心を燃やしてしまい…。
けれども淡々とストーリーは進むのです。