非電化でウール製品の縮みを解消してみる
2017/03/02
去年こんな事がありました。
記事の概要:温水コインランドリーで洗濯したら、ウール製品が子どもサイズになってしまって悲しい。
このときはウールのカットソーがどうにもならない程に小さく、まるでフェルトのように縮んでしまったので、「ウール製品の縮みを戻す方法」を試さずに諦めました。
じゃあ、どうにかなりそうなもので試してみようというのが、今回のテーマでございます。
用意したもの
1、少しだけ縮んだウール製品:帽子
2、蒸気の出るもの:ヤカン
3、巻き尺
ウールの縮みは、蒸気で解決!
先日、「10センチくらいの縮みなら、蒸気を当てれば戻る」という雑誌記事を目にして、いつか洗濯に失敗したニット帽があったことを思い出しました。
記事では、パナソニック製の専用スチーマーを使用していましたが、そういった器具を使わず、非電化でやってみます。
まずは計測から
縦 22.5cm
横 27.0cm(一番長い部分を計測)
素材 ウール100%
果たして編み目が詰まっているのが解消されるでしょうか・・?
無理せず少しずつ伸ばしていくのがコツだということなので、ゆっくりと・・・のつもりでしたが、直径1センチほどの小さな注ぎ口から吹き出す蒸気でやっていたら日が暮れてしまいそうです。
そこでヤカンのフタを開けて一気に伸ばすことにしました。
1センチから
15センチへ!
「少しずつ伸ばすのがコツ」なのはわかっているんですけれど、帽子の中に両手を入れて、ぐーんと伸ばしながら蒸気を当てていきました。
素手では熱いかな~と心配しましたが、案外気持ちよかったです。
再度計測してみました
縦
22.5cm→22.5cm
横
27.0cm→30.0cm
その気になれば、まだ大きくなりそうな様子でしたが、今回は丁度良いサイズになったところで終了です。
縮む以前は若干オーバーサイズだったので、これはうれしい。
縦方向は伸ばしていませんので、蒸気前後で数値は変わりません。
こういう細かいサイズ調整が効くのもいいですねえ。
編み目もギュッと詰まっていたものが、本来の編み模様に戻りました。
どうして蒸気で縮みが解消されるのか?
といいますと、縮みの原因である「洗濯の際の刺激」で「絡んでしまった繊維」を蒸気でほぐしてあげることで元に戻るということみたいです。
ただし、カチカチになるほど縮んだ繊維には効果がないようなので、洗濯時には要注意です!
いっときウール製品から遠ざかっていたわたしでしたが、ニット王子との異名を持つどなたか(お名前失念)の語る、ウール製品の素晴らしさと彼独特のウールとの付き合い方を知って以来一転、好んでウールを選ぶようになりました。
(以前にも書いた気がしますが)ニット王子のニット名言
1、洗濯はワンシーズンに1度で十分
2、ニオイが気になるときには日向ぼっこで解消!
3、普段のお手入れはブラッシングで
4、毛玉もいつくしむ
王子はセーターを着たまま床にゴロゴロ転がって、わざと毛玉を作るほどに毛玉道を極めているそうです。
アイロンかヤカンか
電気があるならアイロンのスチームで伸ばすことができるんですが、しかし、わたしは敢えてヤカンの蒸気をオススメしたいと思うのです。
といいますのも、ヤカンの蒸気ならば、両手でニットを持ち、蒸気に当てながら作業ができる!
アイロンや専用スチーマーの場合ですと、
蒸気を当てる
↓
一旦アイロンを置いて
↓
両手でニットを伸ばす
↓
再びアイロンを手に取る
それならばいっそヤカンの方が、伸ばす作業に集中できそうな気がしませんか・・・?
::追記::
以前の記事にコメントで良いことを教えていただきました
(いつもありがとうございます)
ウールやカシミヤ、アンゴラなどの動物ウールの縮みには、シリコン剤の一種である「アモジメチコン」または「ジメチコン」の配合されているトリートメント液が効果的だそうです。
トリートメントをぬるま湯(水)にとかした液の中に5分から30分ほど漬けておいたあと、1分程度脱水します。
その後よく伸ばしてから干すと元に戻るということです。