ホント?毛色から見るネコの性格判断とネコの小話#1
2017/02/24
新しく作った畑のほうから継続的に破裂音が響いてくるので、腰を屈めながら音源を探すと、糸ススキの根もとに白い腹を出して転がっている蝉の姿、それがまるで竹が破れるような音を出している。
逆さまでは苦しかろうと箒を掴んで戻り穂先で天地を返してあげると、じっとそこにうずくまったまま、先ほどよりも幾分蝉らしい声でなおも鳴き続ける。
ああ今ネコが居たらこの蝉は咥えられていくのだろうと思い、そしてずいぶん前クロが蝉やネズミを持ち帰ってきて家中大騒ぎになったことを思い出したのでした。
(つなよし)
出産を終え、子どもたちも乳離れしたころになると、クロは苦労して成った家ネコから一転、半ノラに戻り、ゴハンと昼寝と夜にだけ戻ってくる生活を送っていました。
しかし子どもたちのことを忘れたわけではなく、彼らに狩を教えるべく、夜を徹してネズミやセミを捕まえてきていたのです。
ネズミは家に持ち込まれる寸前に箒で口からはたき落としたからよかったけれど、蝉は一度ジイジイ鳴いているものを家のなかで放たれたことがあります。
初めての蝉、ツナヨシとミシェルは遠巻きに見るだけでしたが、一方のトラは大興奮!
絞るように鳴きながら低空飛行する蝉を追い詰め、それを咥えるや、そのままベッド下のいちばん奥に隠れてしまったのでした。
すぐに羽音も鳴き声も聞こえなくなり、代わりに新鮮な海苔を折るときのような音が・・・。
しばらくして充実した表情でベッド下から這い出してきたトラ。
現場を確認するためにそろそろとベッドを動かして覗いてみると、何もない。
羽の一枚、脚の一本でも落ちているかと覚悟していたのに、そこには何もなかったのでした。
私としては何も落ちていなかったことに心底ホッとしたのです。
もしも身体半分とか残されていたらその処理を考えただけで身震いします。
(つなよしのおしり)
最近図書館で「毛色から見るネコの性格」という内容の本を立ち読みしたんですが、それによりますと、最も原始的なネコの毛色というのは「キジトラ」、次いで「チャトラ」「サバトラ」など縞模様、そして「クロ」「シロクロ」「シロ」の順に現れたという。
それをネコの性格に当てはめますと、「原始的=人に慣れにくい、野生的、警戒心が強い」のがキジトラで、反対に懐っこいのがシロネコ、中間に位置するのがクロネコなんだとか。
それを読んでなるほどなあと思ったのです。
確かにトラ(キジトラ)だけが初めて見た蝉を狩って食べていたし、トラだけが抱っこされることもブラシも嫌がるのです。
普段ホロスコープや血液型などの占いには懐疑的な私ですが、ネコ診断には思わず膝を叩いてしまったのでした。