パイトーチ型アルコールストーブの[まとめ]
2019/01/25
パイトーチ型のアルコールストーブが作りたくなり、2月くらいから制作を始めたのですが、もう5月です。
この間にいくつかパイトーチ型アルコールストーブを作ったので、今日はそのまとめをしようと思います。
初めて作ったパイトーチ型アルコールストーブ:
銅管を上手に加工する方法:
アルミ缶を上手にカットする方法:
アルコールストーブの基本について:
アロマックス缶+アルミ缶+熱線コイル
轟音と共に、炎が勢いよく噴出します。
作り方
蓋が出来れば燃焼途中でも消火出来るし、アルコール燃料を入れたままでも持ち運びが出来て便利なので、アロマックスというコーヒー缶のフタ部分を切り離し、流用することにしました。
切り離した蓋部分のバリを落としています
※僕の住む地方では、このアロマックス缶がなかなか手に入りませんでした。自販機などで見つけた時は、毎回まとめ買いをしていました。
アルコールストーブ作りに限らず、アロマックス缶には固形燃料がぴったり収まるようで、登山やアウトドアなどに重宝するそうです
先ずはプロトタイプということで、ボディーには手に入りやすい通常のアルミ缶を使うことにしました
※写真には6mmのナットが写っていますが、これは使用しません。代わりにナットリベット(ブラインドナット)を使います
※銅管には予め、1mmの吐出口が開けられています
銅管の穴位置をマーキングしています
銅管が通る穴×2
熱線コイルの穴×2
燃料投入口の穴×1
接着&隙間埋めには「J-B Weld(※耐熱タイプのエポキシ)」を使います。
燃料投入口にはナットリベット(ブラインドナット)をカシメて取り付けますが、僅かでも隙間が開かないように、ここにも「J-B Weld」を使いました
ナッターを使ってカシメます
銅管にはアルコール燃料を吸い上げる為に麻ひもを使いました
※麻ひもは入る所まで(3cmくらい)押し込んでいます
銅管の内側に差している熱線コイルが真っ赤に熱されていれば、例えば強風などで火が消えてしまったとしても自動的に再点火するのではないかと思って取り付けてみましたが、そもそも一度点火した炎が消えてしまうことは無かった(フーっと息を吹きかけても消えなかった)ので、性能のテストは出来ませんでした。
銅管、熱線コイル共に、「J-B Weld」で固定&隙間埋めをします。
アロマックス缶から切り離したボトルキャップを、「J-B Weld」を使って接着しました
ポイント
・アルミ缶の組み合わせ方
同じ大きさのアルミ缶同士を組み合わせるのは至難の技なので、予め片方のアルミ缶に手を加えます
外側になるアルミ缶に対して、他のアルミ缶の底部を根気よく押し込んでいると、僅かにですが広がります
僅かにでも広がっていれば、このようにアルミ缶同士を組み合わせることが出来るようになります
・パッキン(ガスケット)の作り方
燃料投入口には6mmのボルトを使っていますが、燃料が漏れ出さないようにパッキンを取り付ける必要があります。
また、ゴムは熱に弱いので、使う場所によってはガスケットなどをゴムパッキンの下に噛ませておくと良いかもしれません
いくつもアルコールストーブを作ろうと思っているなら、パッキンはポンチを使って自作した方が(圧倒的に)お得です
完成
試運転
アルコール燃料を投入します
パイトーチ型のアルコールストーブは、プレヒートの必要があります。
プレヒート用に蓋の内側にもアルコール燃料を投入します
プレヒート用の燃料に火をつけます
落ち着くまでは大きな炎が上がることもあるので、十分注意して下さい
パイトーチ型アルコールストーブからは、「ゴー」という噴出音がしています
炎の勢いも、ベーシックなアルコールストーブよりもかなり強力です
試しに薬缶のお湯を沸かしてみます
轟音や見た目の炎の勢い通りに、お湯も激しく沸騰しています
パイトーチ型アルコールストーブの仕組み
このパイトーチ型アルコールストーブの仕組みですが、これは前回書いた「蝶ネジを使った単室加圧式アルコールストーブの作り方」と似ています
先ずはプレヒートの炎で、タンク内のアルコール燃料を熱します
熱されたことにより気化したアルコール燃料には圧力が掛かります。気化したアルコール燃料は、銅管に開けれた小さな穴から噴出し、プレヒートの炎によって着火します
着火後は、自らの炎で銅管を熱し、アルコール燃料を気化&噴出させ、着火するというサイクルを、燃料がなくなるまで自動的に繰り返します
おまけ:失敗編
プロトタイプのアルコールストーブが上手く出来たので、今度はもう少し丁寧に作りたくなりました
物は試しと、銅管の巻き数を一つ増やし、燃料吐出口は1mm穴を2つにしてみました
また、アルミ缶の高さは1cm程度低くしています
綺麗に作りたかったので、細かい微調整も繰り返しました
原因は分からないのですが、銅管に開けた2つの穴からは、液体のままのアルコール燃料が吹き出してしまい、キャップ内に溜まってしまいました
登っている炎も、単にアルコール燃料が燃えているだけなので勢いはなく、「ゴー」という音もしませんでした
おまけ:OD缶を使ったパイトーチ型アルコールストーブの完成
当初の目的は、このOD缶を使ったパイトーチ型アルコールストーブを作ることだったので、満を持して再挑戦してみました
強力なものになるような気がして、ここでも銅管を多目に巻いています
成功ではありますが、炎も吐出音も、何だか控えめなものが出来上がりました
おまけ:ボトル缶を使ったスタイリッシュ?なアルコールストーブ
ちょっと苦労したのですが、YouTubeで目にしたアルコールストーブを参考にして作ってみました
あまり安定感が無いのですが、まずまずの出来だと思います
因みにですが、「タリーズの缶コーヒー(ボトル缶)」は、パッケージがビニール製なので、態々ヤスリや剥離剤を使って塗装を剥がす必要がありません
ビニールを剥がした後の缶はとても綺麗なので、アルコールストーブ作りやDIYにお勧めです
この記事を読んで少しでもアルコールストーブに興味が湧いたという方は、それほど費用も掛からないので、挑戦してみてはいかがでしょうか。