アルミ缶を使ったベーシックなアルコールストーブの作り方
2018/02/25
アルコールストーブ制作の最終目標は、銅管を使ったパイトーチ型ですが、何事も基礎が大事だと思うので、先ずはベーシックなアルコールストーブを作ることにしました。
失敗から始まったパイトーチ型アルコールストーブ作り|銅管を使ったアルコールストーブ
今回作るストーブは、このような構造になっています。
A:副室
B:主室
a:ジェット孔
b:アルコール燃料が気化したもの
c:内筒
d:アルコール燃料の油面
e:オリフィス(主室と副室をつなぐ燃料の通り道)
アルミ缶を用意する
アルミ缶の底を2つ、好きなサイズで切断します。
今回は高さ3cmくらいにしました。
この2つを組み合わせることで、ストーブの本体が出来上がります。
アルミ缶の切断を容易に、かつ切断面を綺麗に仕上げたいと思ったので、アルミ缶切断治具を作ったのですが、これには問題がありました。
後日記事としてまとめようと思っています。
主室の穴を開ける
丸い穴をくり抜く、コンパスのようなカッターを使いました。
ちなみにこれは100円ショップで買ったものです。
紙のように簡単には切断出来ないので、根気よくグルグルと回し、カッターで傷を入れていきます。
※ある程度カッター傷が深くなった辺りで、通常のカッターなどで切り落としてしまっても良いと思います。
ジェット孔を開ける
ジェット孔は18個開けようと思います。
手元にあったA4サイズの短い面(21cm)が、偶然アルミ缶の円周と同じくらいだったので、これを切ってガイドに使うことにしました。
21cmを18で割るので、≒1.17くらいの間隔でマーキングしていきました。
18のドットが書かれたA4紙をアルミ缶にグルっと巻きつけ、それをガイドに開けたい位置にマーカーでポイントしていきます。
ジェット孔は、インパクトドライバーを使って1mmのサイズにしました。
オリフィス板と組み立ての前準備
余っているアルミ缶を使って、オリフィス板(主室と副室を隔て、下部に燃料の通る穴が空いているもの)を作ります。
切り出す高さは3.5cmとしました。
※主室、副室がしっかりと隔てられるように、上下のアルミ缶(3cm)よりも若干大きくしておくことにしました。
写真のように、4箇所に切り込みを入れておきます。
※組み立てる際は、この切込みは下側になります。
オリフィス板は底面の凹みにはまり込むように作りたいので、少しカットし、一回り小さく作ります。
接合はホッチキスを使いました。
必須ではありませんが、主室の穴のバリを落としておくことにしました。
※紙やすりなどでも大丈夫です。
同じサイズのアルミ缶を重ねるので、内側に入る側はラジオペンチなどを使い、このようにヒダ状にしておくとスムーズに組み合わせることが出来ます。
完成&燃焼テスト
中心部にオリフィス板を入れ、上下の缶を組み合わせました。
缶を回しながらゆっくりと水平に押し込んでいきましょう。
アルコール燃料を5mm程度満たし、火をつけてみましたが、なかなか全てのジェット孔から炎が出てきませんでした。
全てのジェット孔から炎が出るまで、およそ30秒かかりました。
燃焼テストを繰り返しました。
一つでもジェット孔から炎が出たタイミングで、棒か何かで缶を軽く叩いてやるか、上から薬缶などを乗せ、主室の蓋を閉じてやると、全てのジェット孔から一気に炎が出せると分かりました。
今回はジェット孔の位置をなるべく外側に開けたので、このような鍋を乗せても炎が消えてしまうことがありません。
まずまずの出来だと思っているので、そのうちにヤスリか剥離剤を使って、アルミ缶の塗装を剥がそうかと思っています。
おまけ
実はスウェーデン軍で使われている?いた?という、SVEAというアルコールストーブを持っています。
これは蓋を閉めれば燃焼途中でも炎を消すことが出来るし、燃料が入ったままでも持ち運べるので便利です。
しかし五徳がなければ鍋や薬缶を乗せることが出来ないので、その点は今回作ったアルコールストーブに軍配が上がります。