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リトルフォレストの薪ストーブパンを実際に作ってみた

2017/11/03

 

今年も早いもので、薪ストーブの季節がやってきました。

記録してないからわかりませんが、たぶん10月に入ってからは、ほぼ毎日焚いています。

今年は薪の調子(乾燥具合)が芳しくありません。

もちろんそれは前もって薪割りして、屋根の下で乾燥させておかなかったツケなんですけれど、最近の長雨も少なからず関係しています。困った薪です。



それはさておき、先日「リトルフォレスト」という映画を見ました。

ずいぶん前に漫画で読んだことがあったはずなのに、舞台設定以外ほとんど記憶になくて驚きました。

「リトルフォレスト」を読んでいた頃は、まさか自分が山に越して、電気ガス水道を契約しない小屋暮らしをするとは思ってもいなかったので、この「田舎暮らしの入門書」的な漫画の内容が頭を素通りしたんだと思います。


リトルフォレスト(五十嵐大介)

逃げるようにして、都会から自分の生まれ育った東北地方の小さな村「小森」に帰ってきた主人公「いち子」。

季節ごとの農作業、家仕事、料理を通して、無意識下に母親の追体験をしていく中で改めて、失踪した母親のことや自分自身を見つめ直す、というのが話の幹で、おもしろいのは、田舎ならではの小ネタやレシピがいっぱい登場するところです。

映画では、観た人が田舎暮らしにあこがれを抱くような、きれいな映像に加えて料理もどれも美味しそうだし、作り方も簡単に説明してくれるからさらに嬉しいお話になっています。

映画「リトルフォレスト」については、いろいろと気になるエピソードがありますので、いつかまた改めて書きたいなあと思っています。


で、本日は映画「リトルフォレスト」の冒頭に登場した「薪ストーブパン」を作ってみましたので、その顛末を書いていきます!

まずは、パンを焼くためのストーブの紹介を。

いち子が使っているストーブは時計型といって、上から見るとダルマさんの形をしているものです。


(↑薪は、どうやら楢(ナラ:高級薪)を使っているようです)

一方わが家のストーブは、上から見ると長方形をしています。

ふたつの共通点は、ボディが薄い金属板でできているため、蓄熱しないというところです。(うちの場合は蓄熱と保護を兼ねて、内部に耐火煉瓦を入れていますが)

そのため、重厚な鋳物や石造りのストーブや一般的なオーブンとは内部温度の変化に大きな差があり、よってある程度温度を管理して焼かなくてはならない料理の難度もぐっと上がります。

 

さて。

パンですが、いち子は地粉(国産の小麦粉。多くは中力粉のこと)と、米水飴、塩、ドライイーストを使って生地を作ります。

(↑リトルフォレストのパンの材料)

私は、オーストラリアでパン職人をしている友人に教わった配合を参考に、強力粉と砂糖、塩、ドライイーストで作りました。

酵母のおこしかたも教わったのでそこからやりたかったんですが、パンをつくるのは初めてなので、それはまた次の課題に。

生地の発酵を待つあいだ、ストーブに火を入れて炉内を温めておきます。

(↑準備中のわが家のストーブ)

いち子は梅雨時期に作っていたので、発酵させるのに十分な気温でしたが、私の場合、室温が15度程度しか無かったため、簡易的な室をつくりました。

1、ボウルが入る大きさの桶に数センチ湯を張る

2、ボウルが直接湯に接しないように、高さのあるものを敷く(私が使ったのは蒸し器の皿)

3、保温バッグ(銀色のやつ)に入れて密閉する

 

こうして、無事に発酵してくれました。

↓50分後

 

いち子のもそうですが、わが家のストーブも縦に細長いパンしか入らない構造なので、こんな形になります。

(↑いち子さんのパン)

(↑うちのパン)

2次発酵もすんで、いよいよ焼きます!

 

↑いち子「パンを焼く温度は200度くらい、だからストーブの火が消える寸前・・・」

 



↑私「同じく!」

 

15分後

 

いち子「(焼けた!)」

 

私「なに、この白パン」(←ほとんど焼けていない)

 

どうやらストーブ内の温度が下がりすぎてしまった様子。

しかたないのでもう一度火をおこすことに。

しかし2度目もこんがりとまでは焼けないまま、温度が下がってしまいました。

さらに3度目の火起こしをしますが、今度はついでに炭をおこすことにしました。

その炭を使ってパンに焼き色をつける作戦です。

食パン用の型にパンを入れて(斜めにしか入らなかった)、フタを閉じて、フタの上に炭をのせました。

(↑食パンの型に入れたところ。このあとフタをして上に炭を乗せます)

 

ですが、結局きな粉パンのような仕上がりにしかならないまま終了。

(↑きな粉パン?)

 

反省点

1、もっとがんがん焚いて耐火煉瓦に蓄熱させてからパンを入れるべきだった

2、上部からの熱が圧倒的に不足しているため、焼き色が付かない。工夫が必要

3、何か、こう、パンを焼くための、スパイダーのような脚のついた器具と、パンの上に熱源(炭など)を載せるための仕組みが欲しい

 

実際に、蓄熱をしない安い薄っぺらなストーブでパンを焼いてみた結果、このような安価なストーブでは温度をコントロールする(維持する)のが至難であり、また、パンの上部をこんがりと焼くのには、ムリがあるということがわかりました。

ですが、いろいろと工夫をして何とか焼けるようになりたいと、アイデアを練っているところです。

 

薪ストーブパン、むずかしい!!

 

 

 

 

 

 

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