うれしいけど毎年だと困るかもしれないこと
2017/10/06
土地を購入した当初から、敷地内のちょうど隣地との境界線のあたりに栗の木が2本生えていました。
どちらも樹高2メートルにも満たない幼苗でしたが、数年たった現在、見上げるほどに成長しまして、「桃栗三年、柿八年・・・」のことわざ通り、そのうちの1本が今年はじめて実をつけました。
たったひとつだけ実ったイガの中から出てきたのは、ふた粒のくり・・・。
ふた粒じゃあ、どうしようもないので、くりがもっと手に入ったら一緒に調理しようと思い、保管しておくことにしました。
そして、このときには予想だにしなかった、くり三昧の日々がやってくるのです・・・。
ご近所さんが「うちの庭の栗、みんな持っていってーーー!」と、声を掛けてくださったので行ってみると、ログハウスのとなりに、幹が太くて、相当な樹高の栗の木が、枝いっぱいにイガをつけて御座したのです!
地面には一面に栗が散らばっていて、拾えども終わりが見えない状態。
しかも時折、栗つぶてが降ってくる!
バケツいっぱいの栗!!
10キロ以上!!
いやー、もしもこれが自宅の庭での出来事だと考えたら、数十キロもの栗が落ちてくるなんてうれしいけれど、毎年続いたらちょっと困るかも…。
さて、拾ってきた栗を一粒づつ、水洗いしながら虫食いチェックします。
小屋暮らし1年目のころ、知人から茹で栗をビニール袋一杯もらったことがありました。
「たくさん栗を拾ったけれど、食べきれないからおすそ分け」と言っていましたが、「虫食いがあるかも」との言葉通り、栗を割ってみると、中からイモ虫が・・・。
ためしに割った栗の9割以上にイモ虫が居たので、ちょっと・・・ムリでした。
そのときはじめて、栗に虫が入ることを知ったんですが、貰った茹で栗をよーく観察してみると、小さな穴があいていましたので、なるほど虫がいるわけなんだな、とわかりました。
今回、ご近所さんのところで栗ひろいをした際には、明らかに虫食い穴のあるものは除けていました。
ですが、水洗いをした際に、バケツの中で浮く栗が。
↑2粒浮いている。
気になって調べてみましたら、水に浮かぶ栗は虫食いの可能性大!!とのこと。
でも、水に浮いた栗には、どこにも虫食いの穴が開いていないのに、どうして中に虫が入っているのでしょうか??
栗につく虫には2種類あって、それぞれ「クリシギゾウムシ」と「クリミガ」といいます。
(ゾウムシって、例のアジサイに付くやつもシロオビアシナガゾウムシというゾウムシだったな・・・!)
で、クリシギゾウムシは、まだ果実が青くて小さな状態のときに卵を産み付けるので、そのときに空けた穴は、果実が大きくなるに従って埋まってしまうという・・・。
こうして栗の中でまんまと孵化したゾウムシは、栗を食べて成長して、やがて皮に穴をあけて外へ出ると。
ですから、上述の「穴があいていないのに水に浮かんだ栗」は、内部でゾウムシの幼虫が栗を食べているため、軽くなった由。
また、栗の鬼皮が黒ずんでいるのも食害のサインとのこと!
一方のクリミガは、成虫(蛾)が栗の葉などに産卵したものが孵化すると、幼虫が栗の実に侵入。
さんざん実を食べつくした後、再び幼虫が穴から脱出します。
穴のあいた栗から、白いパウダーが出てきているものがあったんですが、これはクリミガの幼虫が栗を食べた排泄物だそうです・・・。
・栗が水に浮かんだら、虫が入った可能性大
・皮が黒ずんでいたら食害がすすんでいる
・栗に穴があったら「クリシギゾウムシが出て行ったあと」
・栗の座の付近に穴があったら「クリミガの幼虫が入っている」か「クリミガの幼虫が出て行ったあと」
どちらにせよ、これらの虫を食べたからといって、人体に害はないとのことですので(幼虫だけを食べる愛好家も居るとか)、生栗を手に入れたら即!熱処理などを施して虫たちの動きを封じるのが得策みたいです。
ちなみに、嫌な情報ですが、自然の栗の90%近くは、虫に産卵されているそうですよ!!
↑左2つ:ウチの栗 右:ご近所さんの栗
明らかに品種が違う気がします。実の形も、座(栗のおしり)の様子も全然違う!
うちの栗はたぶん「山栗」。
ご近所さんのは、きっと良い品種。ひとつ30グラムくらいある大粒の栗なんです。
↑選別後、洗った栗を乾かしているところ
このうち2キロほどを使って、「渋皮煮」をつくったので、以下はレシピの覚書です。
1、鬼皮(外側の硬い皮)を剥きやすくするため、沸騰した鍋で3分ほど茹でます。
※あまり長く茹でると、栗の風味がなくなるので注意!
↑中の実が大きすぎて、皮が割れてしまっている栗を中心に選びました。
皮むきも終盤になると、親指の爪の間から出血してきて痛かった・・・
2、鬼皮を剥いたら軽く洗って、ひたひたの水と重曹大さじ1を加えて沸騰させます。
火を弱めてアクを取り、10分ほど茹でたら、水を替えます。
3、渋皮に残っている筋を竹串などを使ってきれいに取り除きます。
とれやすい大きな筋と、獣毛のような細かい筋(取れにくい)があって、竹串でこちょこちょやるのが面倒くさくなったため、途中から柔らかめのブラシでこするようにして筋をとりました。
4、水と重曹を新しく取り替えて、(2)を2回繰り返す→最後は水だけで茹でて、重曹を抜きます。
ところが、この段階で相当苦味が残っていたため、もう一度重曹でゆでることに。
作業を翌日に持ち越すため、栗を水につけたままにしておきました。
一晩水につけておいたところ、水が白濁したワイン色になっていましたが、重曹を加えてそのまま4回目のあく抜き。
このあと、重曹を抜くためにもういちど水だけで茹でました。
5、鍋にひたひたの水と砂糖を半分だけ入れます。
私は瓶詰めにして保存するので、砂糖の分量は100%にしました(2kgの栗を使ったので2kgの砂糖)。
落とし蓋をして火にかけ、煮立ったら弱火にして10分間煮たら、残りの砂糖を加えてさらに10分ほど。
澄んだワイン色のシロップになりました。
6、ブランデー大さじ3を加えて、煮沸消毒した瓶に詰めて密封処理をします。
一晩寝かせると味がしみるとのことですが、きっと置けば置いただけ、浸透圧で甘みが染み込んだおいしい渋皮煮になりそうな気がします。
こんなにたくさんできた・・・
渋皮煮、おいしかったけれど、作るのが大変すぎるので、たぶんもうやらないです。
生栗は、あちこちおすそ分けして、かなり量は減りましたが、まだ残っています。
はやいところ下処理しなくては、虫が沸いて大変なことになってしまう・・・!
あ、栗ごはんも作りました。
栗のシロップケーキも作りました。
おいしかったです。
栗三昧です。