サバイバルにシタッが便利なはなし
2017/08/04
遠くからでも簡単に見分けのつく特徴的な白い身体の「白樺」の木。
別荘やペンションの庭に植わっているのをよく見かけますが、山にも自生しています。
そこにあるだけで、不思議と「さわやかな高原」といった風情になる、雰囲気の良い白樺の木ですが、近づいてみますと…。
意外と肌荒れのしている白樺。
「剥いてください」と言わんばかりのめくれ方。
ならば剥いてみましょう。
とれた。
とっても薄い、カンナ屑のような白樺の皮です。
この薄皮、アイヌ語で「シタッ」といいます。
「シタッ」は、とても優秀な着火材なので、むかしのアイヌの人々は、これを集めては街で売って現金収入を得ていたそうです。
※自然の着火材としてはまつぼっくりもオススメです。
また、先がY字になった枝に丸めたシタッをはめて、簡易松明にもできます。
シタッの着火テスト!
着火したとたん、ぼわっとスゴイ勢いで燃え上がります。
良く燃えました。
まるでティッシュでも燃やしたかのような火付きの良さ!
…という「シタッ」の知識はぜーんぶ、マンガ「ゴールデンカムイ」(野田サトル)で知りました。
たまにTSUTAYAでマンガを借りてきては、まとめ読みをしているんですが、一度に20冊も借りるものですから、「試し読み」感覚でとにかくいろいろな作品を選んでいます。
ですから当たり外れは当然のこと、そんななかレンタル期間の7日間で2周半、舐めるように読んでしまったアタリの作品が「ゴールデンカムイ」です。
ゴールデンカムイは、明治末期の北海道が舞台のサバイバルお宝探索マンガです。
サバイバルといっても、アイヌの知恵や暮らしぶり、食生活が存分に味わえる「アイヌ辞典」のような様相で、加えて「金塊探し」という謎解きもあり、現在10巻までが既刊となっていますが、読み始めると止まりません!
簡単にあらすじを紹介しますと、
日露戦争帰りの主人公スギモトは、一攫千金を狙って北海道に渡り、川で砂金を採っていました。
ある日アイヌがひそかに貯めていた八万円(約8億円)の金塊の噂を聞きつけたスギモト。
金塊は通称「のっぺらぼう」と呼ばれる男に奪われて、北海道のどこかに隠したままであるという。
その金塊のありかは、網走刑務所の囚人たち24名の体に全員合わせてひとつとなる刺青を暗号としており、しかも24名の囚人たちはその後脱獄したという話でした。
さっそく囚人=金塊さがしの旅に出たスギモトでしたが、道中ヒグマに襲われてしまい、その窮地をアイヌの少女アシリパに救われ、諸事情により二人で金塊を捜索することになったのですが・・・
詳しい内容はWikipedia「ゴールデンカムイ」でどうぞ!
先ほども書きましたように、「ゴールデンカムイ」は、明治の北海道が舞台です。
江戸の頃、北海道が「蝦夷」と呼ばれていたのはご存知かと思いますが、それが「北海道」と名を変えたのは明治2年8月15日のことでした。
名付け親は幕末の探検家、松浦武四郎といわれています。
GOOGLEで「松浦武四郎」と画像検索すると、ボヤーっとしたユウレイのようなおじいさんが出てくるので、ちょっとビクっとしますが、16歳で家を飛び出してからほぼ40年間、日本中を旅して歩いた根っからの探険家です。
武四郎の当初の提案では「北海道」ではなく、「北加伊道」と表記されていました。
アイヌの長老から「カイ」という言葉が、この国にうまれた者を指すと聞いた武四郎が、「北にあるアイヌ民族が暮らす大地」という思いを込めて「北加伊道」と提案しましたが、政府内で検討した結果、「加伊」を「海」と文字を改め「北海道」となったとされています。
それでも武四郎は、自身の雅号を「北海道人」としていたことがあり、どちらにせよ、武四郎としては満足のいく名前だったのではないでしょうか。
次回は松浦武四郎と蝦夷地、アイヌ、そしてまさかの小屋との関係をご紹介したいと思っています。