タイニーハウスピリオディカルズ

タイニーハウスピリオディカルズ|30代で脱サラして小屋暮らしに挑戦するブログ

趣味 - 古道具、カメラなど

〔FINAL〕 古民家で宝探し|職人さんとの別れと、近隣住民の熱い視線

2021/09/13

[1] 古民家で宝探し|勇気とその対価
先月の終わりのこと。郵便局へ向かういつもの馴れた道沿いに、数台のトラックが停まっていました。どうやら近くの古民家を解体するようです。この辺りは、かつて甲州街道沿いの宿場町として栄えた時期があります。その為か、趣のある古民家が散見される通りでもあり...
 
[2] 古民家で宝探し|運搬には軽トラが必要です
 ※今回は、この記事の続きです。「ジムニーだとあまり運べないから、次は軽トラで来なよ。」「はい、分かりましたー!(※軽トラか、、近所で貸してくれる人はいるだろうか?」車を選ぶとき、ジムニーか軽トラか、最後まで悩んだことを思い出します。概ねジムニーにし...
 
[3] 古民家で宝探し|手順を踏んで堂々と
   前回はスケジュールの一コマしか消化できませんでしたが、今回からは少し早足で進めます。いただいたもの(戦利品?)の紹介を急ぎたいと思っています。 〈現在の状況〉 引き抜いたり剥がしたり、自力でやれる解体作業は限られていました。 躯体の解体には重機...
 

本文に入るまえのこの前置きで、残りのスケジュールを終えてしまおうと思います。

その後はいただいたもの(戦利品?)の紹介をします。


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職人さんとは携帯番号を交換していなかったので、必ずしも僕が搬入のタイミングに立ち会えるとは限りませんでした。

帰宅すると見慣れない物が玄関前などに置かれていることがあり、なんだろう?と思って近づくとそれは〔足踏みミシン〕だったり羽釜〕だったりしました。


僕がその場にいられなくて申し訳なかったな、、と思いつつ、既に辺りは暗くなっていようとも、ライトを持ってきてあれこれいじったり、小屋に持ち帰り修理したり磨いたりしてしまうほど、それは嬉しいサプライズプレゼントの連続でした。


また、Kさん用の〔桐箪笥(全ての取っ手が真鍮製)〕も運んでいただいたので、それは後日、Kさん宅へ運びました。


近隣住民の反応

僕の家の前は、犬の散歩などでたまに人が通ります。

そのほとんどは、別荘住まいの人か、元は別荘として使っていたけど、引退を期に現在は定住しているという移住者です。


偶然通りかかった方の中には、丁度搬入していた古道具に興味を持つ人もいました。

※それは一人だけではありませんでした。古道具は幅広い層に人気があるようです。


ある奥様は家の敷地内に入り込んで来て、僕を通り越し、直接職人さんと交渉(懇願?)し、結局目当ての臼(石をくりぬいたもの)を手に入れました。

とんでもなく重たい臼をその奥さんの自宅まで運ぶといった、職人さんも僕も苦笑いしてしまうような仕事をこなしたり、搬入を終えた職人さんと長話をしたりしながら(サボっていた?)、日々は着実に過ぎていきました。


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さて、現場最終日です。

地元では一番有名であろう、和菓子屋さんにて〔どら焼き〕を一人二つ計算で持って行きました。

それぞれ味の違うものを選びました。(※一つだけ、自分用にも買いました。)


最終日は、仕事が終われば解散だったようで、昼前だったのですが、特に仲の良くなった職人さんはいなかったし、親方とは丁度帰るところを和菓子屋さんの前で会えたのですが、買った和菓子を渡す時間がなく、軽く挨拶しただけのお別れとなってしまいました。


現場に残っていた職人さんにどら焼きを託し、最後にしっかりとお礼をしましたが、何だか酷く呆気無い最終日となりました。

打ち解けたと思ったところでの別れは淋しいものですが、そんな時の心の持ちようといったものは、子どもの頃に比べ大分上手になったと思います。


学校でも職場でも、旅でもインターネットでだって、これまでに数えきれない出会いと別れを繰り返してきたように思います。別れが嫌だから必要以上に深入りしなかったり、別れが予想出来るからこそ、一気に核心に触れようと焦ったりと様々ではありますが、この出会いは間違いなく良い思い出としていつまでも心に残ることになるのだと思います。


さて、職人さんとのお別れが済みました。

この〔古民家解体〕の記事もこれで終わりになります。

これより先は、いただいたものを出来るだけ沢山紹介したいと思います。

 

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木枠は、囲炉裏の周りに使われていたものです。


写真では分かり難いですが、片一方は少し太い材が使われていて、木質も良さそうでズッシリと重たいです。


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蝋燭立てや、炭運び?、ハサミやローラー、桶など、数ある古道具の中から、雰囲気の良さそうなものを持ってきました。

これらは、どれも多少の手入れをしただけで、十分使うことが出来そうです。


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〔踏み台〕

写真はクリーニング前ですが、現在はワックスを塗って便利に使っています。

洗って乾燥させたあと、ワックスを丁寧に刷り込むと、黒光するくらいに艶が出ました。

なかなか雰囲気があるように思いました。

踏面の下は、ちょっとした荷物入れとなっていて便利です。


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〔水桶台?〕

これは水の入った桶を乗せるもののようです。

薬屋さんでも簡単な診察はしたのでしょうか?これは病院などで診察前に手を洗う為のものだろうと教わりました。


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〔錆の酷いバケツ〕

水漏れするようなら植物の鉢にでも使おうと思っていましたが、この錆でも水漏れすることはなかったので普段使いしています。


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これは、キッチンなどでよく見る、布巾などを干しておく便利グッズです。


プラスチック製ではなく、木製というところが良いと思います。

木製でも腐ることなく長持ちするのですね。これは発見でした。

※正確な使用年月は分かりませんが、明らかにここ数年のものではないと思います。5本の棒部分は、"竹製"かもしれません。



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〔土壁の土〕


これを10袋程度いただきました。使い道を考えるだけで夢が広がります。

※ちょうど土壁を使ったロケットストーブを見る機会があったので、そんな使い方も面白いと思いました。火器ばかりの家になりそうではありますが...



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〔古い薬の看板〕


職人さんお勧めの看板たちです。使うとしたら表面の塗装を剥離剤などで溶かし、プレートとしてなら使えるかもしれません。

若しくは物好きを探して...ゴクリ...(※本当に買いたいと思うマニアな方はいるのだろうか?)



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〔ガラス窓〕


せっかく貰ったガラスも運搬時に割ってしまいました。

薄いガラスですが、年代物なので勿体なかったです。



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〔木戸〕


開閉する木戸の高さは1400mm程度です。

屈まないと通れないというのは、茶室の〔にじり口〕を彷彿としますが、こちらは二尺二寸(66.6cmくらい)なので、この木戸に関しては刀を持って入れます。

この扉を通った先では皆平等であるといった、高尚な考えがあって作られたものではないようです。


昔の人とはいえ、そこまで背が低かったとは思えません。では何故この造りになったのだろうか?

手作りの利点は、自分の使い易いサイズに出来るところも大きいと思うので、きっと何か考えがあったのだと思います。

想像する余地のあるものは楽しいですね。

※更新前に判明しました。これは雨戸のようです。戸を閉めた後でも、容易に扉の外にあるトイレに行くことを考えて作られたものらしいです。なるほど。


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〔木戸②〕


こちらは立ったまま十分に通れる扉です。

内鍵のギミックは上の木戸と同様、スライド式で面白いです。



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〔水受け〕

欲しかった水受けです。

これは雨水タンクの蛇口下に設置しました。


田舎に移住してからというもの、この手の水受けをよく目にしました。

タイル貼りだし、常々「いいな...」と思っていたのです。

タイミングよく手に入ってラッキーでした。


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〔足踏みミシン〕


結構ボロボロです。直せるだろうか?



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〔窓ガラス〕


自分の気に入る窓ガラスを作ることはとても難しいと思い知っているので、このような窓をいただけると、とても助かります。

同じサイズの4枚ですが、磨りガラス2枚に透明ガラスが2枚となっています。


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〔羽釜(重い)〕


〔竈(かまど)〕をいただいたので、羽釜も貰いました。

こちらはズッシリと重たいのですが、内側が大分錆びています。


綺麗に磨けばご飯を焚いて食べても大丈夫だろうか?

少し不安です。



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〔羽釜(軽)〕


上部がアルミ製だからか、こちらは軽くて錆はありませんでした。

使い易いのはこちらだろうと思っています。



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蒸し器もおまけで貰いました。


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〔棚類〕


今回いただいた物の中で特に気に入っているのは、このドッシリとしたスライドガラス付きの棚と、上の写真の引き出しが沢山ついた棚×3です。

このガラスは見る角度によっては、グニャグニャと歪んで見えます。

そこが何とも時代を感じさせます。

このガラスには心惹かれます。


これで大体の紹介が終わりましたが、細かいものはまだ少し残っていますし、実は引き出しの沢山ついた棚の中には少し面白いものや、もしかしたらヤバい?ものも入っていたので、そのうちにおまけ記事を作って紹介出来るかもしれません。


後半は少し足早でしたが、これで一旦おしまいです。

貰えたもの、経験できたこと、それに付随して分かった気になったこと。

こんなことの積み重ねが信頼出来る"経験則"となっていくのかもしれません。

日々は選択の連続です。"経験則"は目に見えないけど、取捨選択には、この目に見えない感覚のようなものがものをいうのかもしれません。


今回の〔古民家解体〕では、力仕事や実践的知識ばかりに目が行くかもしれませんが、実は人間関係とかコミュニケーションといった部分の頑張り?も、それらに負けないくらい良い経験となったのかもしれません。

頑張って良かったな...と思っています。



〈おまけ〉

数日後、帰宅すると玄関前に新品の七輪が置かれていました。

何もメッセージがなかったので、最初は誰が置いていったのか分かりませんでしたが、七輪を包んでいた新聞紙が10年以上前のものだったので、職人さんの誰かが持って来てくれたのだと思います。

また僕はそのタイミングに立ち会えませんでした。

とても残念です...



おしまい。

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