タイニーハウスピリオディカルズ

タイニーハウスピリオディカルズ|30代で脱サラして小屋暮らしに挑戦するブログ

映画の中の小屋

ラクダ4頭と犬1匹

2016/12/28

 

今回ご紹介します「映画の中の小屋」は「奇跡の2000マイル」です。

「奇跡の2000マイル」(原題「TRACKS」・2013年に公開)は、オーストラリアで撮影された実話が元になったロードムービーです。

 


1975年。

ロビン・デイビッドソンは、かねてから計画していたラクダでの砂漠横断の旅を実現させるために、ボヘミアン生活を送っていたオーストラリアのシドニーから大陸中央に位置するアリス・スプリングスへと越してきました。


アリス・スプリングスは、エアーズロックから一番近い町として知られていますが、周囲は砂漠に囲まれており街としても地理的に隔絶されています。
そしてアボリジニの人びとが多く暮らす地域でもあるのです。


この映画は、ロビンが4頭のラクダと1匹の黒い犬とともに、アリス・スプリングスからとおく2700キロ離れたインド洋を目指して、砂漠地帯を縫うように歩いた冒険を映像にしたものです。

 

奇跡の2000マイル・TRACKS


ロビンが砂漠を横断する徒歩の旅を決めた理由は「母国の砂漠とアボリジニの文化を理解するため」でした。

実際彼女はアボリジニの人びとの土地の権利を守る活動にも少しだけ参加していたようです。

そして出発地のアリス・スプリングスに到着したときには、ポケットに6ドル(約720円)しか所持していなかったけれど、ラクダを飼育する施設で働き、ラクダの扱い方と荒野でのサバイバル法を学び、この地で2年間、準備を整えて旅に出たそうです。


ロビンとラクダと犬の旅の途上では、ナショナルジオグラフィック社のカメラマンがたびたび一行に合流して、その様子をカメラに収めていきました。


NG社のカメラマンが合流したのは、ロビンが旅の資金を獲得するため同社に手紙を書き送ったことが発端でした。

NG社からの返事は資金の提供をするかわりに、リック・スモーランというカメラマンを送るというものでした。

そもそもナショナルジオグラフィック社に手紙を出すよう勧めてくれたのはリックだったのですが(映画ではそっと住所を教えてくれたりしています)、ロビンは無知で押し付けがましいリックがやってくるたびに不満げな表情で迎え、いちいちポーズを取らされるのにも、”フリ”をさせられるのにも納得がいかない様子でしたが、結果、彼の写真とロビンの冒険は一躍世界的なものとなったのでした。

 

※リックの写真集「INSIDE TRACKS」が2014年に発売されています。
ロビンの旅のオリジナル写真がたくさん納められているそうです。

 

映画「奇跡の2000マイル」に登場する小屋

この石積みの廃屋は、ほぼ無一文・宿無しのロビンが、旅のパートナーとなる3頭のラクダを手に入れるため、またラクダの扱い方を学ぶためにキャメルファームで働いていたときに住処にしていた家です。

 

tracks

 

tracks

屋根にはトタンが少しだけ・・・でも石の壁は立派。

 

この家を発見したときには屋根は骨組みを残すのみでしたが、ロビンはシートを掛けて雨養生して住んでいました。

奇跡の2000マイル・TRACKS

 

奇跡の2000マイル・TRACKS

 

 

 

水は近くの水場からバケツで汲んできます。

奇跡の2000マイル・TRACKS

 

調理は備え付けの暖炉で。

奇跡の2000マイル・TRACKS 暖炉

 

下の画像で椅子に座っているのは、旅立ちを見送りに来たお姉さん。

奇跡の2000マイル・TRACKS

 

 

旅でのキャンプでは、テントを張りません。

砂の上に延べたマットレスにクッションの枕、ブランケット。ラクダたちは荷物の傍で眠ります。

毎朝目覚まし時計の音で目を覚まし、起きたら紅茶を一杯沸かします。

奇跡の2000マイル・TRACKS
(目覚まし時計を止めるロビン。砂漠のまんなかで目覚まし時計が鳴り響くのも、炎天下で熟睡するロビンも面白い。)

 

奇跡の2000マイル・TRACKS

(キャンプの様子)

 

旅の途中で立ち寄った”白人”の家。

奇跡の2000マイル・TRACKS


奇跡の2000マイル・TRACKS トレーラーハウス
小型のトレーラーハウスですが、張り出したタープの日陰で、椅子に腰掛けてお茶を飲んで本を読みつつくつろぐ様子はとても心地よさそうです。

 


当初彼女はこの旅を個人的なものとして考えていて、一人でこなしたかったし、だれにも関わって欲しくなかったし、ましてやどこかに公表するなどということは計画していなかったそうです。

しかし後に旅の記録「TRACKS」という本を書き上げ、世界的なベストセラーとなりました。
日本でも、「ロビンが跳ねた―ラクダと犬と砂漠 オーストラリア砂漠横断の旅(上)(下)」として翻訳版が出版されていますが、アマゾンで検索してみたところ、上巻は品切れ、下巻は3999円・・・。

 

映画を通して、広大で乾いた砂漠地帯の続くオーストラリアの大地を楽しむことができましたが、なんといってもラクダ!!

わたしはラクダの顔がとても好きなので、はじめてラクダに大接近したときに撮った写真は、ラクダの顔を正面からアップで写したものばかり・・・。

ヨルダンのぺトラのラクダ

この不思議な造形!!

 

映画でもラクダの姿を堪能できます。

ラクダの脚先・・・まるでワイングラスの台のように広がった足の裏が、パフッ、パフッと砂を踏みしめる姿は悶絶ものでした。

 

 

 

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