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保存食・冷蔵庫なしの生活

柿の受難

2017/01/02

 

昨年偶然から発見した「高速干し柿」ですが、今年もやりました。

庭の柿の木が収穫できたらよかったんですけど、今年も実らずじまいでしたので、他所でいただいた柿でやりました。

 

時期が遅れて熟しすぎていますが。大振りの柿。

カビ知らずの高速干し柿

 

高速干し柿

 


引越してきてすぐ庭に植えた渋柿・蜂屋柿は「甲州百目(ひゃくめ)」とも呼ばれて、品評会でも評判のいい柿なんだそうです。

最近知ったことですが、標高800メートル程度まででしたらこの「甲州百目」が育ちますが、それ以上になりますと百目柿は取れなくなると・・・
植える前にこういったことも調べなくてはならないのが山暮らしですねえ。


植えて3年ほど経つ蜂屋柿は、ずいぶんのんびりと、しかし着実な成長振りを見せていますが、まだ実りません。

実生でしたら「柿8年」というくらいに時間のかかる木ですが、接木の場合は4年程度らしいので、もしかしたら来年は初夏に白い花が見られるかも?と期待してます。

 

柿の話になるとやっぱり、誰も取らなくなった柿の実について考えてしまいます。


先日ラジオで「放置された柿の実を狙って、クマやサルが里に降りてくる、管理できない柿の木はすべて伐採するべき」と、どなたかが語っていましたが、待って!全部切らないでー!
と思うのです。

放置されている柿は誰でも収穫してよいことにならないかなーと、いつかの記事で書いたことがありましたが、賛同してくださる人もちらりと居たりして、それに伊豆の在る地域では、放置された果樹を所有者に代わって収穫する活動もあったりしますし、たしか奥多摩でもそういった活動がありました。

餌に困ったクマが、柿を目当てに人里に来るのを防ごうと、東京都奥多摩町小河内地域のボランティア団体「森の青年団」(岡部茂幸団長、25人)は27日、同町の峰谷下り地区で、収穫されずに放置されている柿の実を収穫した。
団員らは、高さ約20メートルの柿の木に登り、先割れの竹ざおを使うなどして、実をもぎ取った。
同地区には多くの柿の木があるが、過疎や高齢化で放置され、柿の実目当てのクマやサルが出没。今月には、民家近くの柿の木周辺やワサビ田などで、クマの出没が7件確認された (志たかぢや綜合射撃場 ニュース11月より)

 

「集落や農地への野生動物の出没の危険が少ないと考えられる場合は実をそのままにしておくなど、計画的な除去を検討してください」と環境省が通達しているように、各地域でマニュアルを作って放置果樹の対策を進めているみたいですが・・・

 

これは宮城県のマニュアルから抜粋したものです。

1、所有者が不明、あるいは誰も収穫せず放置されたカキ、クリ、クワ、グミ、ビワなどの果樹は、地域で合意の上できるだけ伐採する。


2、農家や集落だけで収穫できない果樹は、ボランティアを活用して剪定・収穫する方法もある。また、収穫物をボランティアに持ち帰ってもらうことによって、農家や地域だけでは消費し切れない収穫物の有効利用も兼ねることができる。

 

これは柿の木にとって、第2の受難と言ってもいいのではないでしょうか??

柿は成長スピードからも推察できるように、木質は硬く締まっているんだそうです。

そのため、かつてゴルフクラブのヘッドに柿の木が使われ、そういうものは「パーシモン」などと呼ばれて人気があったため、1960年代に始まったゴルフブームでは随分伐採されてしまい、柿の収穫量は減少の一途を辿っているそうな・・・。
ゴルフクラブとしては、現在では金属製が普及したためにあまり使われなくなったそうですが。

代わりに野生動物が集まらないように伐採されようとしています。

 

さて「高速干し柿」ですが、皮をむいた柿の枝にヒモをつけてストーブの上に吊るすだけ!
吊るしきれなかったものはザルに並べてストーブ上空へ。

しばらくすると、しわしわと黒くなってきます。
ザルに並べた場合は、たまに裏表を返してあげます。

 

高速干し柿

 

高速干し柿


お店で見かける干し柿はもっとあざやかな柿色しているのに、これはどうして真黒なんだろうか・・・

 

吊るされた柿を二酸化硫黄の煙でくん蒸します。これは鮮やかなカキ色(オレンジ色)を残すためには必要な作業です。この作業をしないとタンニンの酸化で真っ黒な柿になってしまいます。また虫除けやカビ防止の観点からも必要な処理です。(柿の王国より)

 

柿の黒くなるのはタンニンの仕業ということなので、変色を防ぐために、干す前に行う熱湯消毒の際に塩を加えるのも有効だそうです。お酢に漬けるのもいいかも。

外で干す場合には直射日光に当てないようにすると、日光による黒変をある程度防ぐことができるそうです。

「干し柿には乾燥のほかに寒さが必要だと思っていた」と以前書きましたが、タンニンが黒変するのには気温も関係していて、気温が低いほうがタンニンの活動が阻害され変色し難いということなので、「寒さ」の役割には「かび防止」「変色防止」があるのかも?


ストーブの真上に吊るしたザルで干した柿は黒くなりましたが、天板からややはずれた位置にヒモで吊るした柿は乾燥が遅く、そして変色が少ない仕上がりとなりました。

ストーブの熱風の直接届かない場所に干すのが、色艶よく仕上げるコツかもしれません。

 

吊るした高速干し柿

 

で、ヒモでつるした柿で気になったのが、表面ににじむ蜜のような液体・・・。(画像では見えませんが)

もしや??と思って、夜、外に出しておきました。

 

柿を冷たい風にさらすことで、表面ににじみ出た糖分が結晶化して白い粉をつくります。この白い粉は主にブドウ糖を主成分とする糖分の結晶です。(柿の王国

 


柿の表面ににじんだ液体が糖分ならば、気温がゼロ度を下回る真夜中に外に出しておけば結晶化するかもー?と思ったんですが、ダメでした。
糖分の結晶化、むずかしいです!

外で糖分の結晶化を試みるも失敗。

 

 

ストーブの上で作る「高速干し柿」の仕上がりは、歯ごたえのあるグミといったところです。
自分で食べる分には色は気になりませんし、柿の甘さが限界にまで凝縮した感じで、贅沢だなあと思います。

ちょっとオススメなのです。

 

 

 

 

 

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