[DIY][2/2]間伐材を使った自作の差し掛け小屋|物置小屋
2018/05/12
上記記事の続きです。
1.使いたい太さ、長さの丸太を用意し、任意の長さにカットする
①3500mmの丸太
②3500mmの角材
③2100mmの柱材×2
④1900mmの柱材×2
⑤1500mmの横棒×2
⑥1700mmの垂木×7
2.丸太の皮を剥ぐ
皮剥にはスクレイパーを使いました。
皮剥専用のカマのようなものや鍬みたいなものも売ってますが、今回はスクレイパーで頑張りました。
簡単にヤスリがけをしました。
室内で使いたい場合など、綺麗に製材するには、ピカピカになるまでヤスリ掛けをしたり漂白剤を何度も塗ったりと手間を掛ける方法もあるようです。
間伐されてから1年ほどが経過した丸太ですが、皮剥は簡単に行えました。
※通常皮剥は、伐木して直ぐに行うと剥ぎやすいと言われています。水分がある方が剥ぎやすいようです。
3.丸太にノッチ加工を施す
《前回のおさらい》
丸太の皮剥きが終わったら、上図のとおりに下準備を施します。
これは③の柱材です。母屋に打ちつける角材と接合させます(図Bの加工)
丸太のカットと同様、ノッチ加工もチェーンソーで大雑把に行いました。
これは⑥の垂木です。
片側はノッチを入れ、もう片側は丸太の上にコーススレッドで固定させます。
※写真は皮剥、枝払い前のものです。
③の柱材は⑤の横棒を入れる位置を決める為に、立ててからチェーンソーで斫り(はつり)ましたが、あらかじめノッチを入れる高さを決め、寝かした状態で加工した方が楽だったと思います。
※この後、ノミを使って綺麗にノッチ加工を仕上げます。
④の柱材には①の丸太が乗ります。転がってしまわないように出来るだけ湾曲に仕上げました(図Aの加工)
4.いざ、組み立てです!
何だか今回の作業は楽しいです。
CADで起こした設計図を元に、規格サイズの建材を使って作った母屋とは違い、今回は設計図もなければ、材の太さもそれぞれ違います。
上下で大分太さの違う丸太も多いし(根っこに近いほど太くなる)、自然に曲がったままのものもあります。
最初からきっちり作ることが出来ないと分かっていると、何だか気楽なのかもしれませんね。
②3500mmの角材を母屋に打ち付けます。
窓の上に水準器を使って水平に、コーススレッドで固定します。
1.3500mmの角材を打ちつける場所を決めたら(今回は窓の上)、コーススレッドを打つ場所を考えます。
2.コーススレッドを打つ場所にマーキングをしたらドリルで下穴を開けます。下穴の太さはコーススレッドよりも細くなくてはなりません。
3.下穴が空いたら、コーススレッドを途中まで打ち込んでおきましょう。高所作業時に有利です。
柱を立てる
③2100mmの柱材を母屋の壁の両端に設置します。
通常は地面を水平にしてから着工します。
しかし今回は、急場凌ぎの仮設です。土地を均すのが大変だったので、高低差の分だけ丸太を入れて調整してしまいました。
Bの加工を施した③の丸太を角材にコーススレッドで固定します。
母屋の壁に打ち付けた角材と柱材の上部はコーススレッドで固定していますが、下の方は母屋と接合していません。
不安だったので、スチール缶から押さえ金具を作りましたが、ひょっとすると要らなかったかもしれません。
⑤1500mmの横棒で③と④の柱材を繋ぐ。
柱材、横棒共にチェーンソーでノッチ加工を施し、コーススレッドで固定しました。
この柱のノッチ加工は大き過ぎでした。隙間が大きいです。
①3500mmの丸太を④の柱材に乗せる
④の柱材の頭を湾曲に加工したおかげで、①の丸太を乗せても安定しました。
①の丸太は太いので、手持ちのコーススレッドでは④の柱材と固定するには長さが足りません。
そこで①の丸太にはドリルで太さの2/3程度まで穴を掘り、それから一番長いコーススレッドで固定しました。
コーススレッド一本では不安なので、カスガイを打っておきました。
何だかそれっぽくなってきたように感じます。
※僕の家は「貧ぼっちゃま」のように、正面だけが化粧されており、背後は手付かずで丸出しです。今はまだ見せたくない部分ではありましたが、もう諦めました。
年代的に「貧ぼっちゃま」が分からない人には良い機会です。インターネットで検索してみると面白いです。貧ぼっちゃまの口癖は、「落ちぶれても元上流家庭」「落ちぶれてすまん」です。彼には親近感を覚えます...
⑥1700mmの垂木をバランスよく配置します。
ノッチ加工された垂木と角材の接合はコーススレッドです。
①の丸太に垂木を乗せる溝を掘ります。
溝に乗せたら、コーススレッドで固定します。
※あらかじめ、垂木には下穴を開けておきたいところでしたが、打ちつける相手が丸太なので全部が同じ寸法という訳にもいきません。面倒でも一本ずつ上空で位置を確かめ、下穴を開け、コーススレッドで固定しました。
垂木を均等に乗せることが出来ました。
方杖・頬杖(ほうずえ・ほおずえ)を入れる
大分出来上がって来たと思ったところで、大きな記載忘れがありました。
カスガイと平行するように、①の丸太と④の柱材の間に400mm程度の補強材を入れました。
両端を45度で落とせば、直角の出ている所の補強が出来ます。
これを「方杖・頬杖」というのですが、とても便利です。
「方杖・頬杖」は、補強材として入れましたが、これを入る前と後では雲泥の差です。
最低でもこれくらいの補強材を入れておかないと、直ぐに歪んでしまうと思います。
丸太の垂木は太さが一定ではないので工夫する
丸太の垂木の上にガルバリウムの屋根材を乗せてみたところ、それぞれ太さが均一ではないためガタガタでした。
これでは雨水が上手く流れないだろうと思います。
そこで、垂木の上に平らな板を乗せてみたところ、ぐっと良くなりました。
根本側にも同様に加工する。
ガルバリウムの屋根材を乗せる
解体することが前提の差し掛け小屋なので、屋根材の固定は一箇所だけを専用釘で打ち付けるのみとしました。
経験豊富な諸先輩方なら「あ~あ」と思われたことでしょう。
屋根材は専用釘を打ち付ける場所がしっかりと決まっているのです。正しい固定場所は写真のとおりではなく、本来は凸凹の凸部分、山になった一番高い位置に下穴を開け、専用釘で固定するのが正解です。
僕はうっかり間違えてしまったので、皆さんは気をつけて下さい。
差し掛け小屋を解体した後、このガルバリの屋根材を違うところで流用する時には、シリコンなどで釘穴を埋めるという余計な仕事を増やしてしまいました。
《 完 成 》
『おまけ』
パレットを立て、母屋側はコーススレッドで固定し、手前には写真のように杭を打ち込むことで簡易的な間仕切りが出来ました。
この間仕切りをもう一つ作り、その上に板を乗せれば収納力が格段に上がります。
おしまい。