人びと

《別荘地》受け継ぐってどういうこと?

2016/10/06

《 15/12/04更新の記事に「加筆修正&写真の差し替え」をしました 》

移住して間もないころ、一度だけワークショップというものに参加したことがあります。

内容は太陽光パネルに関すること。

これからの生活のことを考え、「えい!」と予約をした記憶が残っています。

僕の小屋には既にソーラーパネルが設置済みだったこともあり、おさらい程度のワークショップとなりましたが、知識よりも貴重な収穫がありました。

それは、とある別荘地に住む方との出会いです。

彼女(以後Kさんと書きます)は還暦を迎えていますが、とてもそのようには見えず、恐ろしく活発な方です。


僕たちの住んでいる町には、数多くの別荘が建てられています。
それでも別荘が建てられ始めてから、まだ30年程しか経っていないと教わりました。

Kさんはその30年前に、別荘暮らしとしては2番目に入植された方です。

完全に移住をされたのは去年のことでしたから、ずっと都会と別荘のある田舎を行き来して、セルフビルドの巨大なログハウスを建てたのです。

※現在の法律では、この時に建てたような巨大なログハウスを建てることは出来ないそうです。

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Kさん宅の薪ストーブはノルウェーの「JØTUL(ヨツール)」

とても綺麗に使っている。

部外者は入れない歴史のある別荘地には幾つかの特徴があります。

・ログハウスしか建てられない(現在は30棟を超える)
・敷地内に全棟をカバーする排水システムがある
※上水に関しては共同井戸があったのだが、現在は市の上水を使っている
・住民の中から毎年順番で役員が選出される。役員は敷地内にあるプールの掃除をするらしい
・裕福な方が多い。(例:環境音楽家のスタジオには1億円を超える機材がある)



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小さく見えるけど、深さは2m50もあるプール。


Kさんとの出会いはワークショップでしたが、そのまま仲良くなれた訳ではありません。
意気投合するところがあり、ワークショップの帰りに自宅に呼んでいただいたきり、暫く疎遠になっていたのです。


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Kさんは良く旅行に行く。しょっちゅう行く。羨ましい。※写真はベトナムコーヒー


そんなある日、近年稀にみる大雪が降りました。

とても元気なKさんですが、現在は一人でログハウスを守っています。
普通の道路でも身動きが取れなくなって凍死者の出た大雪でしたから、当然心配になりました。

しかしながら僕のような人間の目にはこの別荘地がとても敷居の高いものに映ります。
気後れする僕の背中を一押したのは、Kさんからもっと沢山の話が聞きたいという気持ちでした。

「雪かき手伝いますよ。」

簡単なメールを送りました。

それからですね、もう2年近く付き合いが続いています。


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ココナッツオイルが流行っていたなんて知りませんでした。飽きたからといただきました。


日々の生活やDIYなどで困った時には僕が呼ばれるようになりました。


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この日は薪割りを手伝った


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アナベルというアメリカ原産の紫陽花を株分けしてくれた。



Kさんは思い立ったら直ぐに行動するところがあるので、呼び出される時はいつでも突然です。
大概、「今から来て。駄目なら◯◯日」といった感じですが、僕は不快に思うどころか、呼び出されるとニヤリとなります。

Kさんの話はとても勉強になるし、何と言っても料理の先生という一面もあるのでご飯が抜群に美味しいのです。
使っている素材は僕が普段お世話になっているスーパーではまず見かけないものばかり。

しかも、Kさんは太っ腹で小気味の良い女性です。呼び出されたときが断捨離中だったりすると、帰りの車の荷台はいただきもので一杯になることも珍しくありません。

勿論、高級過ぎるものはお断りしますが。
※貰っても維持することが困難だったり、そもそも電気を引いていないので、自然と辞退することが多くなるのです。


今回もちょっとしたお手伝いを頼まれただけでしたが、沢山のおみやげと、お風呂、そして悩みが吹き飛ぶような美味しい料理をご馳走していただきました。


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Kさん宅のお風呂から出たところ。


そして夕食時に、ブログタイトルにある「受け継ぐ」という話が出ました。

料理の先生でもあるので、Kさんの使っているキッチン用品は一流品で揃えられています。
※義理の母親も料理家だったそうで、受け継いだものも多いそうです。

もう使わないからと貰う物の中には、既に何十年と使われてきた鍋とか器もあります。
Kさん曰く、先が見えてくると、受け継いでくれる人や喜んで使ってくれる人が必要になるのだそうです。

買うときは高価だと思っても、何世代も使える良い素材のものであれば、安物を買い直しながら使うよりもよっぽど有利だと思えることがあります。
使い勝手も良いし、使っていて気持ちも良い。もしかしたら経済的にだって、何世代か続けばお得になるかもしれない。

そして受け継いだ僕は帰りしな、いつも同じようなことを言います。

「この鍋はこの先、3世代4世代と続くかもしれないね。」


Kさんは嬉しそうな顔をしてくれます。


《おまけ》


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僕が今まで飲んだことのあるノンアルコールビールの中で、頭一つ抜け出た美味しさでした。オススメ(アルコール分0.9%未満)



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フラスコを貰いました。薪ストーブの上に置いて沸騰する様を見たり、簡単な温度変化を察知したり出来ました。

わりと気に入ってます。

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