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小屋暮らし(田舎暮らし)の大変なところ|集落(コミュニティ)の大変さ|悪徳業者に狙われたお婆ちゃんなど

2018/04/04

会社勤めの頃は毎日が苦行のようでした。

出社することが嫌で嫌で仕方なく、週末だけを楽しみに生きていたような気がします。

楽しみだった週末も、ストレスの解消方法が未熟だったようで、無駄に出歩いて疲れたり、不必要な物を買ってしまって後悔したりと、本当に休日として機能していたのか分からなくなることもありました。

「お金やエネルギーを沢山使う、先進国ならではの便利な生活を維持する」ということは、ステータスというよりは、人間の大人として認められる為の最低限のノルマのような意味合いがあったように思います。

それはまるで、泳いでいないと窒息するマグロのような日々と言っても良いと思います。


どんなに根が深くとも、環境を変えれば生活は一転します。

田舎に移住し小屋暮らしを初めてから、気持ち的にはとても楽になりました。

少なくとも、嫌だ嫌だと思う毎日ではなくなりました。

楽になったことを実感していると、小屋暮らしの良いところばかりが目に付くようになります。

これはあまり良いことではないので、今回は平和な小屋暮らしから少し距離をとり、不便だったり面倒だったりする、「小屋暮らし(田舎暮らし)の大変なところ」を探してみようと思います。

 


・集落の組に入ること

「組」に入ると、町内会費の徴収や、消防団の活動、催事があれば手伝ったり参加したり、持ち回りで草刈りをしたり、ゴミの集積場の管理をしたりと、地域住民と密な交流を持つことになります。

人里離れた森で静かに過ごしたいと考えるような人間の中には、「組」に入りたくないと思う人もいると思います。しかし、住所変更をしても地域によっては、「組」に入れないところもあります。

実は僕の移住したところもそのような地域でした。

移住者を「組」に入れない理由は様々で、僕の知る所ではないのですが、組に入れてもらえない移住者の中には、「地元民は移住してきた人間に何かを奪われることを嫌っている」と考える人もいました。

それはコミュニティ自体だったり、昔ながらの慣習、そして利権もあるのかもしれません。

「組」には入りたくない人には願ってもないことのように聞こえますが、実は困ることもありました。

それは「ゴミが捨てられない」「情報が入ってこない」ということです。

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捨てられないゴミが山になっているイメージ写真です。僕の出したゴミではありません。

僕の小屋から歩いていけるゴミの集積場は、「組」に入っていないと使えません。

ではどうすればいいのかというと、移住者で集まって新たにゴミ集積場を作るか(補助金が出る)、市がやっている、「組」に入れない移住者の為に用意されたゴミの集積場に持っていくかのどちらかになります。

移住者の為に用意されたゴミ集積場は遠い(約4km)ので、車や、ゴミ袋を積めるバイクなどを持っていなければ捨てに行くことは難しいと思います。また、ゴミ捨ての日は週に一回だけしかありません。不燃ゴミや資源ゴミなどは更に頻度は少なくなります。

余談ですが、僕の小屋よりも更に山に向かって進んだところに住むお婆ちゃんの場合、ゴミを捨てることが出来ないので、全てのゴミは土に埋めたり、燃やしたりしているそうです。

燃えきらずに放置されたラジカセを見て悲しくなったことがあります。

また、何故か資源ゴミ(缶やビン)は月に一回だけ捨てても良いと言われているそうです。

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「組」に入っていないということは、催し物のスケジュールや、災害時の避難ルート情報、何かのルール変更情報なども、自ら情報を求めない限り入ってこないということです。

情報を集めやすいインターネット社会で良かったと思います。

・移住者を狙う悪徳業者

別荘の多い土地だからかもしれませんが、「別荘価格」というものを設定している業者もいると聞いたことがあります。

※あくまで噂です。

悪徳業者をたらい回しにされた人、相場よりもずっと高い金額で工事や伐木を依頼してしまった人もいるようです。

ほとほと嫌になった人の中には、県外の業者か、移住者にしか依頼しない人もいますし、不動産屋の中には、県外の業者を呼べることを強みにしているところがあると聞いたこともあります。

当人に聞いた話もありますが、又聞きした情報もあるので、信憑性は低いかもしれません。

そこで自分の体験したことを一つ。

僕が土地を買った不動産屋によると、井戸を掘るなら80万円だそうですが、実際に井戸を掘ってもらった人に言わせると、その半額も掛からないと教えられました。

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※井戸は掘る深さによって値段が変わります。詳しいところの確認は出来ていません。

この不動産屋では、料金のことで多少「ズルい」と思ったことがあり、また、僕の買った土地の赤松が折れて近隣トラブルが起きていたことを教えて貰えなかったことも重なり、多少蟠りがあります。

脱線しますが、売買契約を結ぶ際の説明で、「水害指定地域に属しているけど全く問題ありません」と説明されたことも、今ではあまり信用してはいけない気がしています。

僕は「組」に入っていないので、何かが起きた時、どこに逃げて良いのかも分かっていません。災害が起きた時に頼れる人を探すよりも、自分で正確な判断を取れる方が生存率は上がると思います。

しっかりと下調べをしておくことが大事なのかもしれません。


・電気ガス水道問題

飲水が無くなれば、買い物ついでに汲んでくるだけですし、生活用水は雨水が勝手にたまるようになっています。

ガスはストーブの使えない夏でもカセットコンロを使えば不便はありません。

問題があるとすれば、空になったガス缶を捨てる日を逃すと大変だということくらいです。

電気については少し複雑だと思っています。

小屋では、50Wのソーラーパネル一枚だけの電力で暮らしています。

冬は夜間の照明くらいしか使えなくなりますが、それだけで十分なのではないかと思うことがあります。

ただ生きていくだけでなく、文化的な暮らしだって出来るはずです。

僕はブログの更新がしたいので、頻繁に図書館に通う必要がありますが、ブログをやらない人だったらその必要もなく、更にはインターネットとのつきあい方を見直すことにより、必ずしも使い放題の電気が必要とは言えなくなると思います。

僕が使い放題の電気が欲しいと思うときは、娯楽としてパソコンが使いたいと思うときくらいかもしれません。

小屋の近くには電信柱が立っているので、電気を引くのは容易いのですが、今はまだ、使い放題の電力が必要とは思えないし、何よりオフグリッド生活は精神に優しいところがあり、気に入っているのです。乏しい電力での暮らしが、半ば趣味のようになっているのかもしれません。

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一つ言えることは、電力会社から買う電気は非常に安く、かつ、すこぶる安定しているということです。

容易に電気を引ける環境であれば、ソーラーパネルを買い揃えるよりもお買い得な電力だとは思います。

新たに始める仕事によって、電気が必要になるようなら引こうと思っています。

ただ、電気を引いてしまったらインターネットにどっぷりとハマってしまうような気がしてなりません。

それは少し、怖い気がします...


・コミュニティと仕事の問題

田舎の小さなコミュニティで怖いのは、案外噂話なのかもしれません。噂話は時として恐ろしいものに変わることがあります。

噂話に興味のない僕でさえ、沢山の人の噂が尾ひれを付けて耳に入ってきます。

誰かと顔を合わせれば、挨拶代わりに誰かの噂話が始まることも珍しくなく、噂話しをしたりされたりの繰り返しは、都会に比べ刺激の少ない田舎暮らしを回す為の、カロリーの高い燃料なのではないかと勘ぐってしまうくらいです。

ただ、これは移住して1年も経つ頃にはおさまりました。

今は違う悩みが目立ちます。

それは、僕の住む田舎では同世代が圧倒的に少なく、気さくに話せる友達が出来ないということです。これはとても淋しいことですが、一つ気がついたことがあります。

東京で暮らしていた時だって気さくに話せる友達が多かった訳ではなかったということです。

つまり、小屋暮らしをするために田舎に移住したから、孤独が深まったとは言えないと思うのです。

と、僕のことはさておき、何故働き盛りの若者がいないのでしょか?

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夏季、僕にはお客さんの出したゴミを回収して、民間のゴミ集積場に捨てに行くという仕事をやっていました。そのゴミ集積場にはとてもシャイな男性がいます。

目つきの鋭い彼はきっと僕と同世代だと思います。とても貴重な存在なのですが、普段は目も合わせてくれません。

ただ、土曜日や祝日になると、彼一人で店番をやることがあり、そんな時に出くわすと、嘘みたいに話をしてくれるのです。

彼いわく、高校のクラスメイトの1/3は卒業後、東京などの首都圏に出て行ったそうです。そして一度出て行った者は、ほぼ戻ることはないのだそうです。

この地域にはまず大学がありません。働くにしても仕事は少なく、また、賃金も安いので、地元を離れるのは仕方がないといえるのかもしれません。

彼は、東京の近県で何故か山梨県だけが賃金が安いとボヤいていたので調べてみました。

『関東地方の最低賃金』

※発行年月日:平成28年10月1日
※1時間辺りの金額

東京都:932円

山梨県:759円

茨城県:771円

栃木県:775円

群馬県:759円

埼玉県:845円

千葉県:842円

神奈川県:930円

最低賃金を比べても仕方ないのかもしれませんが、この差は驚きでした...

親の家業を継ぐとか、若くしてやりたいことを見つけた人でない限り、この地に住み続けることは難しいのかもしれませんね。


・最後に

実は『小屋暮らし(田舎暮らし)の大変なところ』には続きがあります。

『熊』を含めた獣害のこと、自然災害のこと、そして暗い話で終始したくはなかったので、新しいライフスタイルの提案についても書いていたのですが、あまりに長くなってしまったので、それぞれに分割して記事にすることにしました。

近々更新出来る予定です。

よろしくお願いします。

 

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