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[2015]爆音映画祭のプレイベントに当選!

2017/03/10

夏の仕事が一段落したら何かしら遊びに行きたいと思っていたところ、Twitterで素敵な情報が流れて来ました。

※このイベントは終了しています。


もう佐藤伸治さんの歌うフィッシュマンズのライブを生でみることは出来ませんが、爆音で聴けばもしや…

※フィッシュマンズのボーカルである佐藤伸治は、1999年3月15日に心不全が原因で急死しています。享年33。

フィッシュマンズは夢中になって聞く音楽ではありませんでしたが、僕にとっての佐藤さんの死は、彼が稀有な存在だったことを認識する機会でもあました。


250kbps程度の回線速度で気長にインターネット検索をしてみたところ、9/3にプレイベントが行われることが分かりました。

しかも”無料”です。

このプレイベントでは、フィッシュマンズのライブを上映するわけではありませんが、既に爆音で映画が観てみたいとの思いが強くなっていたので、早速事前予約のメールを送らせていただきました。

間伐材の回収とか家のことなど、やらなくてはならないこともありますが、それでも雇われではなくなった今、大分融通が効くようになりました。

少し遠いけど、行きたいイベントがあったら行けるくらいには自由になったことを嬉しく思っています。

 

イベント当日

会場である「相模女子大学グリーンホール」へ爆音映画祭のプレイベントを体感しに行きました。

ブログ記事にするつもりはなかったのですが、興味深い試みに刺激を受けたので、簡単に紹介しようと思います。

僕にとっては初めてのイベントだったので、全く勝手が分かりませんでした。

僕の描いた漠然としたイメージは、爆音狂いの若い連中がすし詰めになって映画を見ながら狂乱するというものでしたが、実際は大分違いました。

会場は、好きなリスニングポジションを選べるくらいには空いており、来場者の年齢層も高めだと思いました。

どうやら大騒ぎするような人はいないようです。安心するような、少し淋しいような気持ちです。

僕がこのイベントで特に好印象だったのは、説明をして下さるプロデューサーの方が、ことあるごとに、

「爆音で上映するには…」

「爆音調整を行うときには…」

と、当たり前ですが、「爆音、爆音、爆音…」と、よい大人があまり口にしないような言葉が頻発するところでした。

プロデューサーの方の外見は決して派手ではなく、どちらかといえば紳士的に見えました。

そのような方が、嬉しそうに「爆音、爆音...」と言うのです。

未来は明るそうだと思いました。

嬉しくなります。


Roaring Film Festival (3)


さて、話が逸れました。掻い摘んで当日の様子をお届けします。

最初は「爆音上映」についてのコンセプト、製作者サイドの想いについてスライドを使って説明をしていただきました。

【爆音上映 コンセプト】

(映画を観ること=映画を作ること)
・映画を作ることと観ることは分けられるものではなく、映画を観ることが映画を作ることへの転化変容していく、その契機として爆音上映をとらえてみたい

・映画を観ること、画面を観ることが、爆音で音を聴くことによって何らかの変化を受ける。その人間の身体的な変容を通して映画を観る

・映画を観ることは映画を作ることであり、そしてまた、自身の身体に何らかの変容をもたらすことであるということを体感する

(映画再生の瞬間)

・大音響の中で、かつて見たことのある映画がまったく新しい映画として蘇ってくる、いわば<映画の再生>の瞬間に立ち会える喜びを、多くの人と分かち合うことこそが、爆音上映の醍醐味


Roaring Film Festival (2) 

【爆音上映とは?】

(音楽ライブ用音響セッティングでの上映)
通常の映画用音響セッティングではなく、音楽ライヴ用の音響セッティングをフルに使い、ボリュームも限界まで上げ大音響の中で映画を見・聴く試み

(大胆かつ繊細な上映)
一般劇場上映では聴くことの出来ない迫力と、その爆音によって視覚までもが変容し映画そのものも違って見えるトリップ感覚、そしてまた、大音響でなければ聞こえてこない幽かな音を聴く

(爆音=良音=適音)
『爆音』→音を大きくするだけではない。

その映画にとって最適な音とは何か、その音があることによって映画が違って見えてくるそれぞれの映画における音の核心はどこにあるのか?

映画におけるベストな音の探求=爆音上映の醍醐味。



そしていよいよ、映像を使っての説明に入ります。

5.1ch+サイドのスピーカーそれぞれから音を出し、システムの理解を深め、爆音で上映する際の難しさ、面白さを様々な映画の一場面を切り取って説明していただきました。

大きな音で映画が観られるということで、ベッドフォンで音楽を聴くように、すべての音を漏れなく聴けるということに期待をしていましたが、実際は音を楽しむというよりは、地響きや館内の空気による、音の体感、視認が出来るように錯覚することが醍醐味なのではないかと思いました。

内容をじっくりと楽しむというよりは、映画の1シーンと繋がってしまうような感覚があるように思います。

全身がバリバリと、そして強い風に包まれていると、いつしか頭ではなく、身体で映画を体感しているような感覚に陥ります。

これは決して不快ではありません。

恍惚なのです。


「ファイトクラブ」の飛行機が墜落するという分かり易い場面から、マット・デイモンの「ジェリー」で、砂漠を彷徨する単調なシーンを見た後、最後は「地獄の黙示録」を使って、リアルタイムで”爆音調整”を行っていただきました。

ただ音量を大きくしただけでは、恍惚とした気持ちにまでは到達出来ません

例えば冒頭の、ドアーズが歌う場面では良い調整だったとしても、兵士達が食事をする場面では、ナイフ・フォークの音が耳障りとなることがあるのです。

その為、至る場所で”爆音調整”が必要となるのです。

爆音で映画を体感することの奥深さを垣間見ることが出来ました。


Roaring Film Festival (1) 

爆音映画祭を楽しむ為の説明会といった内容で、映画を一本観られるというものではありませんでしたが、本番を迎えるときにより楽しめる知識を得ることが出来たように思います。

長距離移動は少し疲れますが、これは行って良かったイベントでした。

面白かった!


興味のある方は下記にHPアドレスを乗せますので、是非スケジュールを確認してみてください。

http://www.bakuon-bb.net/


最後に、Twitterで刺激的な情報をいただける方々へ。

一度は捨てる覚悟をした都会的な刺激を垣間見ることが出来ております。

感謝してます。

「All or nothing」みたいな頭の硬い考えは疲れます。

適度に都会で、または田舎で刺激を受け、バランスよく生きて行きたいと思います。

おしまい。


※2016_08追記:当初、会場内の写真や爆音調整に使われた映画の画像を掲載していましたが、著作権・肖像権に伴うトラブルの原因になりかねないと指摘がありましたので、画像を差し替えました。スミマセンでした。

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