暮らし

ハエものがたり|ハエのことだってかわいく思えるのかもしれない・・・

2016/08/20

(これは09/12/2015の「今日のニテヒ生活」の記事に加筆したものです)



2週間ほど前から我が家に1匹のハエが住みついています。

ドアを開け閉めするときについでに入ってきたものらしい。

ぶんぶんと頭上を旋回するのが堪らなくうるさくて、そうだ、確か10分くらい追い回すと疲れて動きが鈍くなると聞いたことがある、そこで普段家に入り込んだ虫を捕らえて外に出すのに使っている網を引っ張り出してきて追い回すことにしました。

けれども追いつけません。

網を繰り出す前にそもそも目が追いつかないのです。


2度3度やってみて、そのたびに見失うので、やがてうるさいうるさいと思いながら、手で追い払うのみとなりました。

 

ある昼下がり、椅子に腰掛けて本を読んでいますと、ハエは私の腕に止まってのんきにしゃかしゃかと手をこすり合わせはじめました。
払う前にどんな様子なのかじいっと観察してみます。

実際うちに住み着いたこのハエの姿を、じっくり見たことがそれまでなかったものですから、意外にも小さな身体でちょこちょこ動くので、まあいいや、という心地になって腕に止まらせるままにしておいたのです。

そうして目をふたたび文字に戻したと思ったら、ふいにハエが気になって、シッと追い払う・・・。


読み止しの本


またある日は、うるさいうるさいと手で追い払いながら、

「一体ハエというのはどのくらい生きるものだろうか、もしもこのまま一年二年と暮らすことになったら大変だ」

と思い調べてみますと、成虫ではだいたいひと月ほど生きるという。

このハエとのお付き合いも、はや2週間。
少なくとももうあと2週間たてば。


2週間たてば。
その頃には、すっかり脚腰の弱くなった動きの鈍い1匹のハエが居るのかも知れない・・・。

 

なんて名状しがたい複雑な気持ちでいた本日。

テーブルで休んでいるハエの姿が目にとまりました。


網を持ち、横からそろーっと近づいて捕まえる!・・・けれども、余裕な様子で逃れるハエ。

くやしい。

そして小馬鹿にするようにふたたび同じ場所に降り立ちました。
よおし、今度は真上から・・・

つ、捕まえた!!
やったよ!!

さっそく窓から外へ逃し、ああこれでうるさかった日々は終わるのだ・・・窓を閉める前にカーテンのヒダを直して・・・

あ、と思う間もなく、窓から部屋へとハエが戻ってきたのです。

もうこれはウチに居たいとのハエの意思に違いない、もしかしたら出るに出られなくて、外を想って辛い日々を送っていたのかもしれないなんて、そんなことなかったよ。

あと2週間・・・。


梶井基次郎の「冬の蝿」を思い出し、もいちど読もうと青空文庫で見つけた次第です。


参考:「ハエの寿命って何日くらいですか」(Yahoo知恵袋)

蠅(ハエ)の寿命については…

「卵」の期間が約1日間、
「幼虫」の期間が約7日間、
「さなぎ」の期間が約4~5日間、
そして「成虫」の期間が約4週間ほどである。

したがって、トータルにて約6週間ほどであるな。

 

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