初めてのゴミ漁り(体験談あり!?)|ダンプスターダイビング
2017/03/10
今回はゴミを漁って空腹を満たすことについてです。
[ゴミ漁り]と耳にしてイメージすることは…?
乞食、ルンペン、ホームレス、不衛生、臭い、みっともない、貧乏くさい、違法、転売、親が泣いている…
どうでしょうか?どれもろくなものではないですね。
自分のイメージ像に、このうちの幾つが付随し浮かび上がるのでしょうか?嫌だなと思います。
自分の理想像と、現実の自分をイメージした像の乖離が大きいと、それは心身に良くありません。通常はその乖離を小さくしようと、外見や振る舞いに注意するのだと思います。
特にゴミ漁りをして空腹を満たしたいなんて突拍子もないことをやろうとするならば、それは更に重要になってくるはずです。
そもそも、ゴミ漁りのイメージを良くするなんてことは可能なのでしょうか?
実は、欧米諸国ではこの、ゴミを漁って空腹を満たすというマイナスイメージのある行為を、好転させることに成功しつつあるようです。
それは、大量生産、大量消費の、利益ばかりを追求するような隙間のないビジネスモデルに疑問を持つ人が増えたこと、また、単純に貧しい人間が増えたことも後押ししたのだと思いますが、この困窮した者の中に、未来ある若者が含まれだしたこともまた、既成概念を壊す大きな要因になったのではないかと思っています。
では、既成概念を壊すために必要なことはなんだったのだろうか?
少し考えてみました。
「ゴミ漁り」に変わるキャッチーな呼称
ゴミ漁りを英語にしたらなんでしょう?
Trash rummage / トラッシュ ラミッジ
Trash=ゴミ
rummage=ひっかき回して捜す、捜索する
=ゴミ漁り?
しかし、現在のゴミ漁りは、
dumpster diving / ダンプスターダイビング
dumpster=米国の裏通りに置かれているような大型の鉄製ゴミ容器
diving=飛び込む(水中に)、飛び込むように宙に身を躍らせること(スカイダイビングなど)
=ゴミ漁り
これは以前書いた、『New![廃材]は『古材』『バーンウッド』『リクレイムドウッド』へと名前を変え支持され続ける』の中にも似たような記述がありましたが、呼称を変えるだけで新しい価値を生み出したり、イメージを好転させたり、という点は同じだと思います。
命名作業は大切ですね。
『横文字をありがたがる国民性を逆手に取って商売繁盛!』
なんか、”あきんど”っぽいフレーズが浮かんだので、念のため書き残しておきます。
ゴミ漁りはみっともないけど、タンプスターダイビングツアーがあればやってみたいと思う人がいるかもしれません。
僕もチャンスがあればダイブしてみたいです。
※注意:違法です。
違法行為でも知識武装
それぞれ環境は違うので、感じ方、考え方も様々だろうとは思いますが、「ゴミ漁り」を「ダンプスターダイビング」に押し上げるには、「知識武装」も効果的だと思います。
食品の廃棄量は、世界トップクラスである日本。
年間1900万トン(民間調べでは2700万トンとの報告も)あり、これは7000万人が1年間食べていける量です。
食品の多くを輸入に頼る日本ですが、輸入量の半分近くにあたる食品廃棄量があるともいわれています。
素人ながらこれは、やりくりが下手くそなんじゃないか?と思ってしまいます。
コンビニやファストフード店での、回転の早過ぎる廃棄問題もあります。
デンマークでは、賞味期限切れ食品専門スーパーがオープンし、女王や環境食糧大臣がオープニングセレモニーに出席したという記事もありました。「WeFood」
ただこのスーパーは、ホームレス支援の団体や、キリスト教系の団体がやっているものなので、僕の思い描いている理想のゴミ漁りダンプスターダイビングではないのですが。
現地でダンプスターダイビングをする人の中には、生活に困っていない人も多くいるようです。
「まだ食べられるものが捨てられていくのは勿体無い」という単純な考えは、何より強いのかもしれません。
それならば、昔から言われ続けている、「アフリカでは食べられない子どもたちが沢山いる」という、お決まりのフレーズもありますが、これは距離が離れすぎている為か、どうも身近に感じることが出来ません。
現地で同じ生活を体験してみるというのは、貴重な経験になりそうですね。
知識武装は危険を回避する手助けになることも?
ゴミ箱を漁っていて運悪く窮地に陥ったとき、(お店の人に捕まった時など)食料廃棄問題は世界中で注目されているのだと、論点をすり替えることが出来れば、もしかしたら警察に突き出されずに済むかもしれません。
相手は生身の人間です。必要とあらば人情に訴える行為は、非常に有効な手段だと思います。それに、自分を取り巻く環境を変えたいと思うなら、これくらいの”したたかさ”は必要だと思います。
消費期限の切れた弁当をみんなが求めだせば、平等に行き渡らせることは出来なくなります。誰かばかりが得をすると不平不満が出てくるかもしれません。
しかし、その不満が出てくる時には既に、この世から廃棄食品がなくなっているということなのだから、これは一つの革命と呼べるかもしれません。
※ゴミ漁りは違法です。
大分長くなってしまったので、最後に僕の、ゴミ漁りダンプスターダイビング体験と、理想のダンプスターダイビングに触れて終わりにします。
初めてのゴミ漁り
今にして思えば、あれは2chだったのかもしれません。
検索して出てきた掲示板では、地域ごとのゴミ漁り情報が書き込まていました。
ターゲットは個人経営のパン屋さんです。
僕がこの店に行ってみようと思った理由は、「ゴミ漁りに理解のある店主かもしれない」(※漁りにくる人がいることを想定しているという意味だと捉えました。)との記述があったからです。
夜中になり、当時住んでいた小さなワンルームのアパートをこっそりと抜け出しました。
情報通り、米袋のような厚めで茶色の紙袋が店先に置かれていました。
深夜の商店街、どの店の明かりも落ちています。歩いている人も今のところはいないようです。
ゴミ漁りをやると決めて来た訳ではありませんでした。
家から近くの店だったので、興味本位で見に来ただけといった方がしっくりきます。
現地に着いてみると、「折角ここまで来たのだから…」と思うようになりました。
僕は腹を決め、思い切って紐を解き、口を開けてみました。
確かに数時間前までは店先に並べられていたパンなのでしょうが、一番上にあった揚げパンは、まぶされていたであろう砂糖がみな溶けてしまっていて、黒いシミのようになっていました。
確かに腹は減っていたけど、元通り袋の口を縛り、ちょっと小走りで店を後にしました。
新しい視点で生きていけるチャンスだったかもしれないと今なら分かりますが、当時の僕は既成概念の殻を破ることができず、結局コンビニでご飯を買いました。
おまけ:理想のダンプスターダイビング
これは仮定の話ですが、タダで貰ったことのあるコンビニの消費期限切れ弁当を、今後まっとうな値段で買うだろうか?
まぁ、美味しかったらそれもあり得るだろうけど、もう数時間もすれば無料になるかもしれない弁当だと思うと、その意思が薄れることもあり得ると思います。
だから消費期限切れの食品などは、鍵のかかるゴミ捨て場に捨てたり、回収業者が来るまでは、廃棄せずに店舗に置いておくのでしょう。
僕が理想としているゴミ漁りダンプスターダイビングは、このような廃棄の多さで有名な、大手のコンビニやスーパー、ファストフード店などは、これまでと同じように廃棄を出してもいいけど、それらを自由に持っていけるような制度になって欲しいと、ちょっと現実的ではないかもしれませんが、そのようなことを想像しています。
そうなれば、大手に務める優秀な人たちのことですから、廃棄を出せば売上が落ちることに気が付き、極力廃棄の出ないような商売の仕方を模索してくれるだろうと思うのです。
※セ◯ン-イレブンは賢い:500mlパックのジュースの値段が105円でした。僕の勝手な思い込みで、セ◯ン-イレブンには一切の非はないのですが、一見税込み料金に見えますよね?
レジに持って行くと113円になります。小さい金額ですが、全国にある店舗数で考えたらこれは凄い金額になります。
間違いなくセ◯ン-イレブンの中の人は賢い人が多いと思います。
それにしても腹が減ったな…
おしまい。