うるしを塗って蒔絵仕上げ|はじめての金継#3|仕上げ編
2017/02/27
簡易金継シリーズごあんない
1.はじめに:ヘラ作り 2.小さな欠けを直す①(パテ埋め) 3.小さな欠けを直す②(うるし&蒔絵)
4.割れた茶碗を直す①(パーツを接着) 5.割れた茶碗を直す②(うるし&蒔絵) 6.割れた土鍋を修理
エポキシと本漆を使った「簡易金継」に挑戦しています
1.室(むろ)を用意する
「うるし(漆)を扱うのなら、梅雨時期がうってつけ」
これを教えてもらったときには、「へえそうなんだ」程度にしか興味がなかったんですが、今回はじめてうるしを扱うことになって、ようやく、上記の意味がわかった次第です。
ふつう、塗料は乾燥させることで乾くと思いますよね、でもうるしは逆だったんです。
うるしが乾くのには、適度な湿度が必要で、それはだいたい65%以上だそうです。
それで、「うるしを扱うなら梅雨時期がいい」ということになるんですねえ。
でも、いくら梅雨時期といえども、常に湿度が65%以上ある訳ではないので(昨日は46%でした)、うるしが乾燥するまでの4〜5日のあいだ、室(むろ)という、湿度を保った箱に入れておきます。
シロウトのわたしは室なんて持っていませんので、ダンボール箱をビニールで覆った即席の室を作りました。
箱の中には、湿度を上げるために濡れ新聞を敷いて定期的に水分補給をし、また、お水を入れたグラスを入れておきました。
室の代用としましては、発泡スチロール箱がよく利用されるようですが、あいにく手に入らなかったので、これでヨシとしました。
2.うるしを塗っていく
さて、エポキシパテを塗り込んでキレイに研いだうつわに、うるしを塗っていきます。
うるしはこちらの黒いものを使用しました。
うるしを塗るのに使う筆は、塗りやすかったら何だっていいんだと思いますが、安すぎる筆は、使っているうちに毛が抜けてしまいがちなので、そこそこの値段の毛の抜けにくい筆が良さそうです。
ちなみにわたしの使った筆は、4本セットで2,000円ほどのナイロンの安モノですが、さいわい毛は抜けませんでした。
丸筆ではなくて平筆なので、慎重に筆を運ばないと思いがけず線が太くなる恐れがあり、余計にキンチョーします。
筆先にうるしをつけたら、ちょんちょんと試し書きをして、うるしの量を調節してから書き始めます。
薄め薄めに…ぬり絵の要領でエポキシパテを盛った部分を覆うように塗っていきました。
使い終わった筆は、灯油でよく洗っておきます。
次に使うときには、また灯油で洗ってから使うんだそうです。
※後で知りましたが、使用後の筆は「サラダ油」で洗うとよいとのことです。
筆に付いた漆をヘラなどで掻きだしたあと、油に漬けてパレットの上で油をなじませたらヘラで掻きだすというのを2~3回繰り返した後、ラップなどでくるんで保管するそうです。
6枚全部塗ったあとは、やや乾くのを待って、粉を蒔きます。
うるしに息を吹きかけたときに、青白く曇るくらいが蒔き時だそうです。
ただ、あんまり乾きすぎてしまうと、粉が付かなくなるといいますので、なかなか気を使います。
3.蒔絵をほどこす
粉を筆に載せて、うるしを塗った部分の近くに落としてから、ふさふさと軽く、筆先で粉を払うように蒔いていきました。
プロの方々は、毛先がうるしに触れないギリギリのところで粉を振り落とすように蒔いていくんだそうですが・・・。
慎重にやっていたつもりなんですが、たまに毛先がうるしに触れてしまったこともありました。
そんなときは粉を多めに蒔いてごまかしました。
ごまかせているのかどうかは不明ですが・・・。
通常は毛の柔らかな筆を使うそうですが、わたしは上の画像にもありますように、ナイロンの毛の筆を使いましたが、特に不便は感じませんでした。
周りに粉がはみ出したままですが、室に入れて、うるしが乾くまで4〜5日待ちます。
4.完成
↓
左下の、ぐちゃぐちゃっとした修理箇所は、粉を蒔いたときに筆がうるしに触れてしまったけれど、なんとなくごまかした部分です。
まだら模様になってしまいましたが、表面は平坦なのでそのまま使ってます。
次回は割れたお茶碗を直します!
簡易金継シリーズごあんない
1.はじめに:ヘラ作り 2.小さな欠けを直す①(パテ埋め)
3.小さな欠けを直す②(うるし&蒔絵)4.割れた茶碗を直す①(パーツを接着)
5.割れた茶碗を直す②(うるし&蒔絵) 6.割れた土鍋を修理