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はじめてのかんたん金継|欠けた器を修理する|準備編

2017/02/27

 

簡易金継シリーズごあんない
1.はじめに:ヘラ作り 2.小さな欠けを直す①(パテ埋め) 3.小さな欠けを直す②(うるし&蒔絵)
4.割れた茶碗を直す①(パーツを接着) 5.割れた茶碗を直す②(うるし&蒔絵) 6.割れた土鍋を修理

 

はじめての金継ぎ(エポキシと本うるしを使った簡単な方法)


気に入らないものや、間に合わせで買ったものは、処分したり買い替えたりしたので、いっときに比べれば食器の総数は少なくなりました。


その器の中で使用頻度の高いのが、土っぽい焼きもののうつわです。

それらは質感が良くて好きなんですけれど、欠けやすいという欠点があります。
(使ってみてから気がつきました。)


山の小屋に越してきた当時は、器を収納する食器棚も、洗った食器類を干しておく場所も安定していなかったので、環境が整うまでのあいだに、ずいぶんと器を欠けさせてしまいました。

そんなお皿たちを使うたびに、修理をしたいなあと思うのですが、器を直す技術「金継」のことを調べますと、手間も、時間も、技術も、道具も、お金もかかることだけはわかりました。

金継ぎ(きんつぎ):割れたり欠けたりした陶磁器を漆(うるし)で接着し、継ぎ目に金や銀、白金などの粉を蒔(ま)いて修理する方法。


アマゾンに「金継初心者セット」という商品がありましたが、安いもので6千円~8千円近くするのです。



1枚2千円ほどの器の修理に8千円…。

もしかしたら、それぞれの道具を個別に揃えたほうが安上がりかとも思って、金継に必要な道具を調べました。
しかし、特殊とも呼べるような道具も含まれているため、スターターセットよりも安価に道具を揃えることは難しそうです。

 

そんなときに手に取った、フードスタリイストの高橋みどりさんの本に、「エポキシ」と「新うるし」を使った、カンタンな器の修理方法が紹介されていたんです。

エポキシはうつわ用のものが1000円もしない価格で販売されていますし、新うるしは数百円でカラーも豊富に販売されています。


高橋みどりさんのスタイリングは、いつもどんなものでも美味しそうに見えるので好きなんですが、そんなある意味「食」と「器」のスペシャリストともいえるみどりさんが「エポキシ」と「新うるし」が手軽で良いと勧めているんだからと、その方法で済ませようかとも思いましたが…。

しかし、そもそも新うるしは、釣り具用に販売されたものなので、使用上の注意として「口に入らない場所で使うこと」と明記されています。


それに「うるし」と商品名がついているものの、その成分が一体なんなのかは、調べても正確なところはわからなかったのです。
(参考ページ「うるしとうるしもどき」)

カンタンに扱えるとはいえ、食品を入れるうつわに使うとなると「新うるし」はちょっと違う気がして、そうかといって、エポキシを使わずに漆を使って本格的な手法で継いでいくのも、素人には難しそうです。

そこで、欠けの繋ぎや穴埋めはエポキシを使って、仕上げのうるしには本漆を使ってエポキシをカバーしてしまおうという、ハイブリッド方式を思いつきました。

一体このハイブリッド方式は可能なのか、あれこれと調べた結果、エポキシを使うなら仕上げは新うるしというのが定番のようですが、このサイト(ハトヤさん)でエポキシ+本うるしの組み合わせでの修理を紹介していたので、コレ幸いとさっそく道具を揃えたのでした。


前置きがとても長くなってしまいましたが、今回は修理で使うヘラを作ったのでそのお話を…。

エポキシには付属のヘラがありますが、これがとても使いづらいので、先ほどのサイト(ハトヤさん)を参考にしながら、竹のヘラを自作します。


金継に使うヘラを竹で自作したときの様子

 

ちょうど畑で支柱に使っている竹があったので、それを20センチほど切りました。

金継ぎ用の竹のヘラ作り
これは、古民家を解体したときに出てきた竹小舞の竹です。もう100年近く経つのに、まだまだしっかりしたものです。


金継ぎ用の竹のヘラ作り
このバウムクーヘンのような竹の先を、1ミリほどの厚さまで削いでいきます。

とにかくナイフでひたすら削いでいきまして、こんな感じになりました。


kintugi-1 (4)
横から見ますと、こんな感じです。

金継ぎ用の竹のヘラ作り
なかなかの薄さ。

でもなんか、ヘラというよりバターナイフ?

耐水ペーパーでヤスリがけをして刃先を整えます。

kintugi-1 (3)

ちなみにヘラ先を斜めにカットする際に、削りが不十分な、厚みのあるままにハサミを入れたので、ヘラの真ん中が裂けるように割れてしまいました。

木工用ボンドでうまく接着できたのでそのまま使いますが、ハサミを入れる際にはムリしないほうが良さそうです。


つぎはいよいよ器を直していきます!


※推定100歳の竹は水分が抜けてしまい、しなやかさに欠けるようです。
ヘラのように、ある程度のしなりを必要とするものに使うならば、まだ青さの残る竹が良さそうです。

竹のヘラと付属のヘラ
左:エポキシ付属のヘラ
右:竹のヘラ

 

つづきはこちら

エポキシでうつわの欠けを補修|はじめての金継ぎ#2|パテ埋め編
 簡易金継シリーズごあんない 1.はじめに:ヘラ作り 2.小さな欠けを直す①(パテ埋め) 3.小さな欠けを直す②(うるし&蒔絵) 4.割れた茶碗を直す①(パーツを接着) 5.割れた茶碗を直す②(うるし&蒔絵) 6.割れた土鍋を修理 エポキシと本漆(うるし)...

 

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