[フリー食材|秋編][2/2]田舎は食べ物がタダで手に入るというのは本当か?
2017/03/10
[前回のおさらい]
[前回と同じことをもう一度書きます]
[募集]
夏は野菜が食べきれないほど育つので、特に冬、何か良さそうな[フリー食材]情報をお持ちの方は、コメントにて教えていただけると嬉しいです。
内容によっては、採取に行かせていただきます。
※地域は[山梨]です。
[フリー食材]の採取について
地元の人は普通に採取しているとはいえ、それは地元の人同士、信頼関係があるからかもしれません。僕のような移住者が勝手に他人の土地(基本的に全ての土地は誰かの所有物だと言われたことがあります。)に侵入し採取をする場合は注意すべきだと思います。
木の実や果物が欲しいと思ったら、自然に道路に落ちるのを待ったり、地元の人に教えを請うて一緒に採取したり、山に入るとしても、誰かに確認してからの方が安心して[フリー食材]の採取が出来ると思います。
僕も最初の頃はそのようにしていました。
ただ、面倒なので、自分の土地に採取してきたものを植えてしまうのが賢い方法かもしれません。
「では早速行きましょう!」
[フリー食材]ー《秋編》ー
1.カリン
難易度:★★☆☆☆
調理するのが勿体ないと思うほど、カリンは良い香りがします。
しかしその実は固く、生のままでは食せない為か、採る人は少ないようです。
実際僕も、2シーズンは採取しましたが、次はどうしようか悩んでいます。悩む程度には手間が掛かります。
僕が試したレシピは、「カリンのはちみつ漬け」と、「ジャム」です。
はちみつ漬けは、カリンのエキスが染みだしたシロップを薄めて飲むだけで、取り出した実はジャムにして食べました。
調理しているときは、次はやらないだろうと思っているのですが、翌年になるとまた、カリンの香りに吸い寄せられるように、カリンのはちみつ漬けやジャムが食べたくなります。
カリンを調理するときのポイントは種も捨てずに使うことかもしれません。
カリンのシロップは美味しいだけではなく、喉にも良いそうです。※そういえばのど飴で有名ですよね。
※フリー画像をお借りしました。
2.栗
難易度:★★☆☆☆
栗の採取も、前回の梅と同様、道路に落ちたものを拾います。
毬(いが)のついた状態で落ちているものが多いので、梅よりも傷んでいないだろうと思いましたが、栗は結構虫に入られていることが多いので、穴が開いていないか良く注意して拾います。
調理方法の多くは、栗ごはんなのですが、この際、栗の渋皮を包丁で剥くのがとても大変です。
栗ごはんは文句なく美味しいのですが、この手間を考えると、拾わない人が多いのも分かる気がします。
3.クルミ
難易度:★★☆☆☆
これもまた、入手は容易いですが、調理にとても手間が掛かります。
僕は移住するまで知らなかったのですが、クルミといえば茶色くて硬い殻を割って、中のシワシワした実を食べるものだと思っていたのですが、じつはこの、硬い殻自体が種だったのです。
つまり、木に生っている状態では緑色の果肉が複数個連なりぶら下がっており、これを土に埋めたり、水に漬けるなどして腐らせ、ようやく種だけを取り出し、この種を割り、中身を取り出すという手間が掛かります。
僕は取り出した実をフライパンで炒って食べたのですが、種をトンカチで叩いて割った為に、中の実はボロボロになってしまったし、その量も悲しくなるほど少なく、これは割に合わないな、と、タダで採取したとはいえ、その手間に辟易としてしまいました。
しかし、クルミが美味しいのは間違いありません。
次回は、もう少し上手に中身を取り出せる妙案を探したいと思っています。
※フリー画像をお借りしました。
4.ポルチーニ(和名:ヤマドリタケ)※収穫時期は夏から秋です。
難易度:★★★★★
このキノコはイタリア料理やポーランド料理など、ヨーロッパでは欠かせない高級食材です。栽培が出来ない為に貴重で、「キノコの王様」と呼ばれることもあるそうです。
また、フランス料理でも珍重されて、「セップ」という名前で流通しているようです。
このように、ヨーロッパでは評価されたキノコですが、日本では殆ど知られておらず、僕のようなものが、[フリー食材]といって喜んで採取するのは、勿体無いというか、贅沢な気持ちになります。
クリーム系のソースと相性がよいそうなので、生クリームを使ったパスタソースに使いました。
※一度乾燥させてから使うと、風味が良くなるとの記述もありました。次はそのようにしてみようと思っています。
このキノコの難易度を★5つとした理由は、見つけられる場所が限られているからです。
僕が知っている限り、まだ一箇所しかポルチーニの生えている場所が見つかっていません。その場所も、そう沢山は生えていないので、見つけた時はとても嬉しい気持ちになります。
※日本でのポルチーニの相場が一番分かり易いと思ってAmazonリンクを貼ってみただけです。おすすめしている訳ではありません。
5.モリーユ(アミガサタケ)※代表的な春キノコでした。スミマセン。
難易度:★★★★★
これもポルチーニと同様、ヨーロッパでは高級食材です。フランスでは「モレル」というそうです。
やはりクリームとの相性が良いそうなので、ポルチーニと同じ、パスタソースにしました。
見た目が相当不気味なので、このキノコが食用で、更に高級食材とは誰も思わないのかもしれません。
「ポルチーニ」も「モリーユ」も、それぞれベテランの移住者たちに教えていただいたものです。
彼らの、移住を決意した理由の一つには、自然に対する憧れもあったのではないかと想像します。
自然に興味を持ち、日々を楽しもうとする姿勢には勇気付けられます。
年をとったとき、もし、若い移住者に頼られる場面があり得るとすれば、今度は僕が色々と有益な情報を申し送るように伝え、日々の充実に貢献出来るような移住者になりたいと、これらのキノコを見つけると、ふと思うことがあります。
しばらく食べずに乾燥させておいたものをお湯で戻しているところです。
この戻し汁も捨てずに使いました。とてもよい香りがします。
[おまけ]クレソン
難易度:★★★☆☆
クレソンは夏から初冬にかけ、ずっと採れます。書ける場所がなかったので、おまけとして登場させることにしました。
これは流れのある水辺に生えていることが多いです。
ピリッとした辛味が癖になります。
僕はサラダや付け合せとして、生で食べることが多いですが、中にはクレソンをさっとお湯にくぐらせ、ポン酢で食べるのが大好きだという人がいました。酒のあてに最高なのだと。
良いですね...僕もたまには、クレソンをしゃぶしゃぶしてお酒が飲みたいものです。
[おまけ2]山椒
[フリー食材]ー《春編》ーでは青い実を食しましたが、秋の山椒は殻の部分を使います。
実を採取し自宅で乾燥をさせると、そのうちに殻がパカっと割れ、中から黒い種が出てきます。
※僕は勘違いしており、この黒い種を沢山集めていましたが、これは誤りです。 この黒い種は使いません。※蒔けば芽が出るかもしれません。
使うのは殻の部分です。この殻を集めてミルで削ると、ウナギなどに振りかける、あの粉山椒となります。 新鮮な山椒は刺激が強く、癖になります。
これが[フリー食材]として手に入るのはとても贅沢なことだと思います。
写真がなかったので、これは中国原産の山椒、花椒(ホアジャオ)です。
一般的には、花椒の方が香り、刺激ともに強いと言われますが、新鮮な山椒は、花椒に負けていないと思っています。
花椒は、色が赤いだけで、形状も味も、日本の山椒とそっくりです。
殻の部分をこのようなミルに入れて使っています。
舌がビリビリと痺れます。
おしまい。