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柚子、享年50。

2018/03/27

 

2018年早々に、予定通り更地になった、ご近所さんの実家でしたが。

家屋を取り壊すまえに、12月、1月と、木枠の窓なんかをいただきに行ってきました。


それで、そのお宅、狭いながらも庭がありまして。

しかし主が居なくなってからは手入れする者もなく、野放図に伸びた枇杷、柚子、花盛りの椿、地面いっぱいに広がる実生の万両たち・・・、これらすべて、訪問の数日後にはすっかり伐られてしまったのでした。

中でも二階の窓に届きそうに育った柚子の枝には、卓球玉くらいの実が無数にくっついており、丁度近くに手頃な脚立が転がっていたのを立てて、手の届く範囲で、少しだけですが、収穫してきました。

ところがそれ以前に、すでに家主(=ご近所さん)が何十キロ分も収穫していたようで、それもおすそ分けしていただいたりして、にわかにゆず長者になったのでありました。

それにしても今はなき柚子の木の、如何に立派であったことでしょう。

 

そういったわけで今回は、50年くらいは生きたという柚子の、人生最後の実を、どこまで使い尽くせるのか!に挑戦しました。

 

ゆずをとことん使い尽くす! その1:ゆずの表皮を薬味に

ゆずの皮を薬味に
まずはゆずを半分に切ります

 

ゆずの皮を薬味に。皮をむきます

ゆずの皮を薬味に。取り出したゆずの実
皮の部分と、中身とに分けました

 

ゆずの皮を薬味に。表皮の黄色い部分だけを薄くむいて、千切りに
皮の表面の、黄色い部分だけを薄くむいて、千切りにします。

切ったものは冷凍庫で保存するか、よく乾燥させて保存します。

※むしろ、皮と中身を分けるまえの、中身の入った状態のほうが、皮をむきやすいかもしれません。

柚子の薬味

一寸添えるだけで、お料理が一段上等になる柚子の皮は、保存しておいて損はなしです!

 

ゆずをとことん使い尽くす! その2:ゆず種の化粧水

ゆずの種の化粧水
その1で分けた「ゆずの中身」から種を取り出します。

種を出すさいに、果汁も種と一緒に出てしまうため、ボウルの中で作業しました。

その後ザルなどで漉して、種だけを取り出し(果汁は捨てません)日本酒または焼酎に漬けます。

お酒の量のめやす:ゆずの種の3倍程度

 

漬けたビンを毎日振ってあげると、そのうち種のペクチンが溶け出して、どろどろの液体になります。

柚子の種の化粧水

これが柚子の種の化粧水です。

顔にスプレーしたり、身体に塗ったり。
乾燥予防、美白効果、シミ予防などが期待できるそうです。

※種は洗わずに漬けたほうがよいという人もいますが、そうすると種に付着した果汁で完成品が濁ってしまいます。
ですので、軽く洗って果汁を落としてからのほうが、見た目がキレイになって良い気がします

 

 

ゆずをとことん使い尽くす! その3:ぽんず

ゆずの種の化粧水

その2(ゆず種の化粧水)で残った果汁を使ってポン酢を作ります

 

自家製ぽんず作り

皮が一番良い香りがするので、果実をまるごと絞った果汁と、先ほどの果汁を混ぜて使おうと思います。

絞るのは、手動のジューサーで。

 

自家製ぽんず作り 絞ったゆずを漉す
漉して種と果肉を分けます。

種は化粧水に。
果肉は炭酸水に混ぜてゆずソーダ水にしてみました。

 

自家製ぽんず作り。みりん、しょうゆ、こんぶで

ぽんずの黄金比は、ゆず果汁:しょうゆ:みりん=5:5:1

これらの材料を混ぜて、数日~数ヶ月間寝かせるだけでぽんずになります。

それからだしこんぶも入れておくとさらに旨みが増すのでお好みで。

 

自家製ぽんず作り、こんぶを取り出して、寝かせます
↑翌日のぽんず。密封処理する前。

 

翌日、こんぶを取り出します。

熱湯消毒をした保存ビンに移して密封処理をし、冷暗所で保存します。

 

もちろんすぐに食べても大丈夫ですが、数ヶ月寝かせたものは、角がとれて数段美味に!


ちなみにわが家には冷蔵庫がありませんので、150ml程度の小さな保存ビンに小分けにして密封しました。

そうすれば、大瓶に保存した場合にありがちな「一度開封したら急いで全部消費!!」という呪縛が無くなって安心です。

 

 

ゆずをとことん使い尽くす! その4:ゆずのハーバルウォーター(蒸留水)と、ゆずオイル

 

さて、ここまでで残っているのはゆずの皮(薬味用に表皮をむいたものの残りと、ぽんずでまるごと絞ったもの)と、ゆずの瓤嚢(じょうのう:果肉が入っている袋の部分)です。

まずはゆずの皮を使って、ハーバルウォーターをつくってみます。

 

こういったものを作る専用の蒸留器も販売されていますが、かなりの高額です。

しかし調べてみますと構造は単純なものでしたので、試しにごく簡易的なものを作ってみました。

 

ハーブウォーター蒸留器自作

用意したもの:こんろ、圧力鍋、細いホース(耐熱ではない安モノですが、大丈夫でした)、ガラス容器


↑ウチで使っているものと同じモデルは見つかりませんでしたが、こんな感じの片手鍋です。炊飯などに毎日便利に使ってます

 

1:鍋の底に水を入れて、網を設置した上に、ゆずの皮を置く

ハーブウォーター蒸留器自作


2:蓋を閉じて、蒸気の噴出し栓にホースを接続

ハーブウォーター蒸留器自作

 

ハーブウォーター蒸留器自作
ホースが外れないようにワイヤーで閉めておきました

 

3:ホースの先は、ガラスのビンにさしておきます

自作のハーブウォーター蒸留器

 

さあ、これで準備は完了!

 

4:蒸留開始

自作のハーブウォーター蒸留器

加熱を開始してからしばらく経つと、ほんのりとゆずの香が漂い始め、徐々に水が溜まってきました。

ちなみに、この日の外気温はマイナス1~2度くらいでしたので冷却はせずにいましたが、気温の高い室内などで行う場合は、ゴール地点のガラス瓶を、冷水を張ったバケツなどに浸して冷却する等の措置が必要かもしれません。

 

5:アクシデント

自作のハーブウォーター蒸留器
大事な蒸留水が、ゴールに向かわずにホースの付け根から漏れてしまった

自作のハーブウォーター蒸留器
圧力をかける錘を装着せずに加熱しているためか、取っ手の穴から蒸気が大量に漏れてきた。ので、あわてて別のホースを穴にあてがった。

自作のハーブウォーター蒸留器
ビンへとのびる二本のホース。蒸留水が溜まる速度も大幅アップ。

 

6:終了

自作のハーブウォーター蒸留器

おそらく30分ほど蒸留して、100ml強のハーバルウォーターができました。

それから、じつは↑画像のハーバルウォーターの表面に1mmほどの油膜が張っているんですが、それがゆずオイルです。

メスシリンダー等の細い容器に移せば、オイルだけをスポイト等で採取できるとは思いましたが、面倒くさいのでそのままにしています。

 

かんきつ類のオイルは主に外皮から取れるため、本来は圧搾して採取するそうです。

ですのでオイルを確実に取りたいのならば、皮を半分に曲げるなどして、油分を搾り出すのが得策です。が、これがなかなか難しい!

そうやって採取したオイルは、ワセリンソフトやワセリンHGなどの、精製度の高いワセリンに混ぜて使うと、香り爽やかに肌を保湿できます。(夏はシアバター派ですが、冬はワセリン好きなのです)

ハーバルウォーターは、いわば良い香りのするただの水ですので、部屋にスプレーしたり、アイロンの際のリネンウォーターとして使ったり、お風呂に入れたり、顔にかけたり、化粧水に混ぜたり、などなど使い道はたくさん。

ゆずだけでなく、さまざまな植物を蒸留してみるのも楽しそうです。

 

そして、最後に圧力鍋の底に残った水、これもまたゆずの良い香りがしましたので、捨てずに入浴剤にしました。


ゆずの香りの入浴剤に

 

蒸留で成分を出し切った感のあるゆずの皮ですが、瓤嚢(じょうのう)と一緒に乾燥させて、やはり入浴剤にしました。


蒸留後、疲れきったゆずの皮

柚子の入浴剤
乾燥させて入浴剤に。

 

柚子の入浴剤

今回蒸留に使わなかった皮も、千切りにして干して、入浴剤に。

これはレモングラスと一緒に、不織布の袋に入れて、湯船に浮かべて使います。

柚子の入浴剤

※前出のご近所さんは、乾燥させた瓤嚢(じょうのう)と、大根葉、どくだみなどを粉砕機でパウダー状にしていました。

 

さて、これで、めでたくゆずをすべて使い切ったと思います!!

ゆずの皮は、蒸留せずにゆずジャムにしてもよかったかもしれません。


あと、ゆずの果肉のおいしい使い道があるとなお良かったです。

 

 

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