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「とんでもないストーブです」

2018/02/01

 

1月某日、最高気温、0.6°C、最低気温、-8.6°C。


こうも寒いと、朝から夜中まで、一日じゅう薪ストーブをたいていたくなりますが、薪の残高と乾燥具合と相談しながら火をつけなくてはならない倹しい身ですので、大抵の朝は灯油ストーブでしのいでいます。

 

わが家は小屋とはいえども天井を高くしてあるため、マンションで使っていた灯油ストーブでは、特に厳寒期なんかは力不足感が否めません。

が、寒い朝にわずかでも火の気があるのとないのとでは雲泥とまではいいませんが、それなりの差がありますので、ほぼ毎日活躍してもらっています(寒波の到来で最近は朝から薪ストーブたいてますが)


これはその、大切な暖房器具の様子が突然おかしくなってしまい、修理に八方手を尽くしたときのお話しです。


症状としては、

火を点けようにも全く芯が上がらなくなってしまった

この一点に尽きます。

 

が、話を進めるまえに、まず、どんな灯油ストーブを使っているのかを紹介しなくてはなりません。

アラジンBF3912が壊れたので修理
朝に撮影したら、色味がピンクがかってしまった。 

7,8年まえに購入した、BF3912というモデルのアラジンブルーフレームストーブです。

それまでのシリーズは、80年前から変わらない、とにかくレトロな外観でしたが、新しいデザインのこれはモダンな印象で、それが気に入って選んだものです。

アラジンストーブは価格.com(「とんでもないストーブです。メーカーに苦情を言いたいです」)にありますように、ちょっと世話の焼ける面倒くさいストーブではありますが、故障かな?と思っても、細かいパーツ販売もしているため、ある程度自分で直せてしまうのがいいところでもあります。

※楽天のショップですが、ニッチリッチキャッチという店にパーツが豊富に揃っています。

 

それから、数年まえに頂いたシリーズ16の後期型モデル(1970年~1971年製造)もあります。

シリーズ16の後期型、1970年から1971年
植木鉢の横に置いてあるのが40年前のアラジンストーブ
photo taken from blog post まるで成長していない!?|雪かきと煙突掃除

 

手入れもされないまま、長い間放置されていたものを、分解して洗浄して、部品交換して、使えるようにしたもの


あと、もう一台BF3911モデルの青磁グリーンがあります。


なんで小屋に3台も?と思わないでもありませんが、気が付いたらこういう状態でした。

ですが実際に稼働しているのは1台だけです。


そんな3台のアラジンストーブたちですが、今回具合が悪くなったのは黒アラジン。

主に使っているのが黒アラジンなので、困ったことになりました。


症状は、上に書いた通り、火を点けようとしても、芯が上がらなくなってしまった

芯をあげようとしてつまみを回すと、ガガガ!!!というような、全部壊れてしまいそうな激しい音が鳴り、ツマミが空回りしてしまうというもの。


芯の上げ下げには、歯車が関係しているので、とりあえず分解して確認するも、歯もしっかりしているし、噛み合わせも問題なし。

アラジンBF3912の修理
歯車は問題なし。

 

もしかして、芯の長さが足りないと、予期せぬ不具合が起きたりするのかもしれないので、芯を交換するために残りの2台のストーブを引っ張り出してきて、芯を取り外してみたけれど、どれも長さはだいたい同じ。

アラジンストーブの芯交換 
(photos taken from blog post [偶然見つけたストレス発散アイテム|アラジンストーブの芯が高すぎる!]
アラジンストーブの芯
真ん中の芯は、放置しすぎでお陀仏。

新品の芯は、約5.6センチ(つめの上端からの先端)だということですので、うちの芯はまだまだ有効なはず。

では、ツマミ周りのプラスチック部品に亀裂が入って空回りしているのかも?とツマミを外してみても、異常なし。

さらに、アラジンの説明書によると、「芯が汚れていると上下操作が重くなる」とあるので、しんクリーナーで芯をカットしても変化なし。


16型は、うちに来たときから既に歯車の噛み合わせがゆるく、芯を下げすぎる=ツマミを回しすぎると、次に芯を上げようとしても空回りします。

ですので、一旦芯押さえを外して、芯の上昇を手でアシストしながらツマミを回す必要がありました。

壊れた黒アラジンも、16型同様にアシストすれば芯は上がりますが、火力調整の際の微妙な芯の上げ下げができない…。

一旦歯車がかみ合えば上下できる16型に対して黒アラジンは、芯を上げるという行為が一切できないのです。


思い当たることは確認してみた、けれどすべて異常なし。

どうすればいいんだろう。

だって、新品を購入してからまだ数年しか経っていないというのに、壊れるなんてない。

実際こうして40年前のアラジンが使えているのだから。

アラジンシリーズ16型後期モデル


原因がわからないイライラと、壊れた悲しみを抱えながら、メーカーに修理を依頼したら幾らかかるのかしらん、などと調べてみたり、よくわからないけどとりあえず芯を新品に変えてみようと思ったら、謎の価格高騰で手が出なかったり(確か以前は3,000円もしなかったはず。今は何故か7,000円超えしている→一旦5,590円まで下がったのにまた7,700円になってる!)

 

そんなある日、アラジンの取扱説明書を取り出してきて、これまで何度も読んでいる故障・異常の見分け方と処置方法のページをながめていますと。


「しんの上下の操作が重い」

という項目が目にとまりました。

(重いっていうより、空回りして全く動かないんだけどな)

以前はそう思って軽んじて、しんクリーナーだけ試してみた項目です。


そのまま原因の項に目を移しますと、

「変質灯油(汚れた油や、ポリ容器で1年持ちこした油など)」

・・・たしかに、タンクに昨シーズンの灯油が入ったまま、今シーズン使い始めたな。

・・・でも、既に2度ほど新しい灯油を足しているしな。


・・・そういえばネットのどこかで「タンクに水が混入すると、故障の原因になる」って目にした気がする。

・・・もしかして水が混入したのかもしれないな!


灯油に水が混入していると、コットン製の芯が茶色く変色するという。

芯が水を吸い上げてしまうと、芯が膨張して太くなり、それが芯の動きを固くする原因となるらしい。


もしや…??

これが、取り出した黒アラジンの芯

水を吸ってしまったアラジンの芯。茶色く変色

内側が茶色く変色している!


これが16型の芯

変色していない通常のアラジンの芯

変色していない!


まさか…!??

で、16型の芯を黒アラジンに装着してみたところ、不思議なくらいスムーズな動き!

ほんの少しの膨張が、こんなにも動きに影響するなんて、構造もシンプルなら、故障の原因もシンプルなのであった!



そこで、黒アラジンのタンク内の灯油と、2年前の灯油が少し残っていた16型のタンク内の、すべての灯油を吸い出すことに。

これがタンク内の灯油を吸いだす専用スポイト
こんな専用スポイトがあります

2年間タンクに入れっぱなしだったの汚れた灯油
この茶色いのが2年間、16型のタンクに入りっぱなしで茶色く変色した灯油

 

今年の灯油。透明
これが今年の灯油。黒アラジンのタンクから抜いたもの。


専用スポイトで灯油を吸いだす
こんな風にして最後の一滴まで灯油を抜きます。
黒アラジンは、混入した水分を飛ばすために一週間ほどオイルタンクのキャップを開けたままにしておきました。


芯は乾燥しないようにビニールに入れて保存
取り外した芯は、乾燥しないようにビニールに入れて保管しておきます


真鍮ブラシで掃除
ついでに去年さぼった掃除をしました。真鍮ブラシでタールやすすを落とします。

 

そして内部が乾燥したことを確かめてから芯を装着…と思ったら、芯筒の周りの谷間に灯油が溜まっているのを発見。

切ったタオルを押し込んで、すべて吸い取り、それから芯を着けて、新鮮な灯油を入れました。

 

芯筒の隙間の灯油も吸い取る
タオルを針金で押し込んで溜まった灯油を吸い取ります

 

そして無事点火!!


アラジンブルーフレームBF3912のある風景


治ってよかった…うう。

 

16型には今年の灯油を入れて、(ほんとは良くないけど)黒アラジンの変色した芯を装着。

するとどうしたことか、膨張した芯がうまく作用したようで、アシストなしでも芯が上がるようになりました。うれしい。

着火にも問題ありません。

 

灯油は、ポリタンクに保存しているときに内部に生じた結露によって、水分が混入することがあります。

そのため本来は、室内などの気温差の少ない場所で保管するのが好ましいのですが、わが家は小さいため、それはむつかしい相談です。

ですので給油する際に、ポンプの先がポリタンクの底に当たらないようにしてやっています。

水分は、茶色の球になってタンクの底に溜まるため、それを吸わないように!


シーズンごとの後始末とお手入れは、しっかりとやらなくてはダメだな、と痛感したできごとでした。


・タンク内の灯油は使い切る。

・芯はトリミングして、乾かないようにビニールを被せておく。

・芯押さえなどのパーツをブラシでみがいてススを落とす。


すっかり反省しました。

 

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