干しいもを3倍おいしくたべる法
2018/01/18
1月も半ばを過ぎて、いよいよ寒さが厳しさを増してきました。
最近は昼間でも、かろうじてプラスの気温を保っているような具合で、足元にウールの靴下を重ねていても、外で作業をしていると痛いくらいに冷えてきます。
映画「リトルフォレスト」の主人公、いち子が言うには「さつまいもは寒いと保存がきかない」らしい。
さつまいもなどの秋に収穫するイモ類は、すべて冷暗所でひと冬保存できる保存食だとばかり思っていたので意外でした。
保存がきかないのなら、ではどうするのか。
いち子:「ほとんど干しいもにしてしまう」
と、いうわけで、わが家にストックしてある、購入した&頂きもののさつまいもたちを干してみることにしました。
けれども、なにぶん初めての干しいも作りですので、大量に作って失敗するかもしれない可能性を考慮して、とりあえず、4本ほどを用意。
ここからは、「リトルフォレスト」のいち子のナレーションとともに、お送りします。
ではいってみましょう。
「リトルフォレスト 5th dish 干しいも」の作りかた!
関連リンク:「リトルフォレスト 1st dish 薪ストーブパン」
いち子:「鍋に湯を沸かし、ザルをかけて次から次と蒸かしていく」
いち子は大きな寸胴鍋に湯を沸かして、その寸胴の上縁にイモを満載したザルをひっかけて、そこにセイロのフタをしてやっていましたが、私は、薪ストーブの上に置いた圧力鍋でとろとろと数時間、低圧力でじっくりと蒸かしていきました。
これは、リトルフォレストと併せて参考にした「株式会社マルヒ」という干しいも屋さんの作りかたです。
さつまいもを普通に蒸かしたとき、ホロホロした仕上がりといいますか、蒸しあがったさつまいもを食べていると、ぽろっとかけらが落ちてしまうことってありますよね。
けれど、低圧力で時間をかけて蒸かしたさつまいもは、「ねっとり」とか「もちもち」だとかいうような、切ると包丁に吸いつく蒸しあがり。
普通蒸かしのイモとはまったくの別もの!
味見はしていないけれどたぶん、この状態でもかなり美味しいんじゃないかと思います。
いち子:「皮をむいて短冊に切り・・・」
切る厚さは、だいたい1センチくらい。
縦にまっすぐの短冊に。
↑しばらくの間保存してあったさつまいもは、切ってみると、ところどころ黒くなっていた。
けど、それはもともとなのか、保存中にそうなったのかは不明。
ところで、なぜ縦に切るのかといいますと、さつまいもには食物繊維がたっぷり含まれているので、繊維の流れに逆らわずに包丁を入れることで、キレイに切断することができます。
それに、食物繊維のスジを残しておくことで、ほどよく歯ごたえのある食感になります。
いち子:「ワラにくくって干しておく」
こんなふうに、スダレみたいに軒下に干しておけば、あとは勝手に干しいもになるのを待つだけです。
が、私はめんどうくさがりなので、ざるに並べて干すことに。
ざるに干す場合は、定期的に裏表返すこと、夜間は軒下に避難させることを忘れずにしなくてはなりません。
夜は屋内に入れる人もいるようですが、干しいもは夜にキュっと冷えて、昼の太陽によって急激に温められる事によって、水分が表面に浮き出してきてあのようになるため、外に出しっぱなしが良さそうです。
※ただし、夜露はカビなどの原因になる可能性があるので軒下に入れること
と、まあ結局スダレにするよりも手間がかかりましたが、イモが硬くなっていくさまを毎日手で確認できたので良かったかなと思っています。
けれども、「リトルフォレスト」に忠実に作りたいのなら、やはりワラを使って干したいものです。
ワラを使ったくくり方
1 、まず、4本のワラを用意します。
(↑去年のワラなので、劣化してます)
このように上を結んでおきます。
2、両わきの2本を持ち上げて、真ん中の2本の上にさつまいもをのせます。
3、上に持ち上げた2本を下ろし、今度はさつまいもの下になっている真ん中の2本を上に持ち上げます。
4、下になっている2本の上にイモをのせて、上に持ち上げた2本を下げます
これを繰り返していき、最後は適当に結んで完成。
↓吊るすとこんなかんじに。
さてさて、ザルに干したイモの様子は・・・
画像右上から時計回りに、1日目→3日目→4日目→5日目の干しいもの様子です。
3日目までほとんど変化なく、行く末が心配になりはじめた4日目。
そこから急に、表面が乾燥して硬くなり、徐々に全体がぎゅっと収縮していきました。
干しはじめたのが、大みそ日。
夜間の気温は2度〜マイナス4度ほど。
昼間の気温は5度以下。最高でも8度程度。
6日目に良い塩梅の硬さになったので、室内に取り込みました。
できあがりの目安ですが、だいたい4日目くらいが柔らかめ、1週間くらいが普通、それ以降はかちかちの保存向けの仕上がりですので、そのへんはお好みで。
さあ、それでは食べてみます!
いち子:「干せば甘みが増すので、ちょっと炙れば美味しいし、保存も効くので冬じゅう楽しめる」
いち子さんは、時計型薪ストーブの上に網を置いて、その上で干しいもを炙っています。
だから、わたしもボックス型薪ストーブの上に網を置いて、干しいもを炙りました。
干しいもを炙って食べるなんて、はじめて。
表面が白くなって、ぽつぽつと気泡がでてきて、すこし端が焦げてきたら、食べごろです。
焼いたことで香りが立って、ぱりぱりした表面と、もちもちの中身のふたつの食感で、干しいもが格段においしくなった!
もう少し薄く切ったら、仕上がりも早くなるだろうし、炙ったときに食感が良くなりそう。
今回は1センチだったけど、次は5ミリくらいにしてみよう。
そして今度は、ざるじゃなくてスダレにして干そう。
関連リンク:「リトルフォレスト 1st dish 薪ストーブパン」